「グアンタナモ、僕達が見た真実」見てきました。

 今日は仕事で築地でした。お昼は築地の市場で海鮮丼。でも、あんまり安くないような気が・・・。横浜の秋葉屋市場食堂に行った時は、安くてボリューム満点だったので、それを想像するとちょっと拍子抜け。で、仕事が終わってから日比谷に繰り出し、グアンタナモ、僕達が見た真実を見てきました。

 この作品、それでもボクはやってないと、輝く夜明けに向かってと併せて3作で、やってない映画シリーズと言うらしいです。

 この映画現時点で日本で3館しか上映していない。今後上映予定を含めると19館という単館系。



●ストーリー(ネタバレあり)
 イギリス・バーミンガムの側の町ティプトンという町に暮らすパキスタン系イギリス人・アシフ・イクバルは、両親が進める縁談のため故郷のパキスタンへと出発する。故郷の村に着いたアシフは結婚を決め、同じくティプトンに住む友人ローヘル・アフマドに電話をし、結婚式に出席してもらうためにパキスタンに呼び寄せる。ローヘルは友人、シャフィク・レスルとムニール・アリらと喜んでパキスタンにやって来た。彼ら4人はホテル代を浮かせるためモスク(イスラム教の礼拝堂)に泊まり、休暇の旅行を楽しんでいた。

 ある日、モスクの導師が米軍の侵攻で混乱しているアフガニスタンへの援助を行っていて、現地へ行くボランティアの人間を探していることを知る。隣国の実情をこの目で見たいという気持ちと、人助けになるのならと、かれらはその仕事に参加することにする。

 アシフたちが乗り込んだバスは途中事故を起こし、運転手が逃げてしまう。他にもトイレに行っている間にバスが出発してしまうなどのハプニングに見舞われたが、なんとかアフガニスタンに入国した。しかしその直後、遠くでアメリカによる空爆が行なわれているのを目にし、不安を覚える。首都カブールに到着後、アシフが病気にかかってしまい、そこで足止めをくってしまう。町のまわりへの爆撃は日に日にひどくなる。

 アシフの体調が回復した時、彼らは不安に駆られパキスタンへ帰りたいと案内人に伝えるが、なぜか車は北の方向へ。そこはタリバン最後の拠点だった。アシフたちは彼らとともにアメリカからの空爆、北部同盟からの攻撃に逃げ惑い、ムニールともはぐれ、遂には捕らえられてしまう。

 アシフらはアフガニスタン・シェべルガーン収容所に拘留された。収容所は人口過密で、ろくに食料も与えられない状態だった。ある日そこへ、捕虜収容所を管理しているアメリカ軍がやってくる。英語をしゃべれる者を探している、という呼びかけにアシフは名乗り出た。イギリスで育った彼には、アメリカ人は敵ではないという思いがあったからだ。しかし、その期待は裏切られる。アメリカ軍は彼を危険なテロリストだと決めつけていた。

 アメリカ軍の尋問は続く。それは尋問ではなく虐待と言った方が良いほど厳しいものだった。収容所は動物園の檻のような網に囲われただけの場所。昼は暑く、夜は寒い。もちろん私語は禁止。祈りも禁止。コーラン(イスラム教の聖典)を蹴り飛ばす米兵。収容所から取調室へは頭に黒い布をかぶせられ、手錠、足かせをつけたまま引きずられるように運ばれる。ビンラディンの講演の写真を見せられ、これはおまえだろ!と一方的に決めつけられる。その日イギリスにいた。そう否定すると独房へ。さらには床に足かせと手錠を交差するように固定され、大音響の音楽の中に目隠しをされたまま数時間放置される。頭がおかしくなるものも出てきた。

 アシフ、ローヘル、シャフィクは、キューバにあるグアンタナモ基地へと送られることになる。ここの収容所は屋根があり、まだましだった。しかし尋問いや、虐待は続く。。。

 テロリストではないことがわかり解放されるまで約2年かかった。彼らが収容されている間、アメリカでは「人道的に扱っている」と報道されていた。そしてこの収容所には約200人の人が収容されていたが、起訴されたのはたった10人。そして有罪になった者はいない。



●感想、思ったこと(ネタバレあり)
 正直、それでもボクはやってないの冤罪がかわいく思えてしまった。もちろん日本の冤罪も問題だけど、2年間も虐待を受けてきたパキスタン人やアシフらのようなパキスタン系イギリス人。家族とも連絡が取れず本当に最悪だろうなぁ。僕だったら頭がおかしくなるか、自供するか、米兵にたてついて殺されるか。。。
 「想像もつかない状況に巻き込まれ、追いつめられた時、人は潰れてしまうか、強くなるかだと思う。僕は強くなった。」と主人公は語っているけど、あんな虐待を受けたら僕は強くなれる自信がない。こんなことが真実のあったんだと思うと本当に怖い。
 僕らはニュースで「収容所には●●人収容しており、危険な人物かどうかの選別を行っている。」なんて報道聞いたら、そこにいる人はもうテロに関係した犯人なんだと思っていたけど、実際は起訴された人ですら数パーセント。こんなにも冤罪が多かったとは。それも非人道的な扱いを受けて。本当にこれが実話だなんて怖いです。

 この映画、本人たちが語りながらストーリーが進んでいくNHKのドキュメンタリーでありそうな感じで進んでいきます。途中、実際のニュースなどの記録映像を織り交ぜてあるのが緊迫感を漂わせます。映画館で見ると爆撃も本当に自分のうしろが爆撃されたんじゃないかという臨場感もあります。しかも記録映像とセットの映像で矛盾が生じないくらいセットのできがいい。実際に中東に行ったことないし、このような境遇になったこともないのでわからないけど、細部までこだわって作っているのだと思う。それがまたシリアスさを増強させています。

 本作品のエンドロール短いんですよ。それだけ少ないスタッフでここまでやっているのってすごいな。イランで撮影されていたらしいのですが、撮影している最中にも「アメリカに死を」と叫ぶ人たちがいたり、隙を見て何かを盗もうとする子ども達、少ないスタッフと撮影も苦労したらしい。
 その甲斐あってか、本当に自分もその場にいるような錯覚さえ起こさせる映像は本当に必見です。テーマがテーマだけに絶賛しているのではなく、テーマもそうだし、虐待に耐え抜く主人公の力強さというストーリーだけでなく、映画の作りとしてもどれを持ってもすばらしい。上映館は少ないけど、是非みんなに見てもらいたい作品です。
 そしてテロとは、戦争とは、冤罪とは、ちょっとでも考えてもらえればなあと、思います。




見て良かった度:●●●●●











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この記事へのコメント

roko
2007年02月14日 20:40
よしなごとさんこんばんは。
やっぱり、この映画見てらしたんですね。
アメリカの他国に土足で入り込み・・・その国の文化・伝統まで踏みつけにする、軍事介入何処まで続くのでしょうか?
TBさせて頂きました。
K
2007年02月14日 22:01
今日はレディースデーで、よしなしごとさんの5つ★評価を見て、さっそく観にいって来ました。
映画の内容は、「それでもボクはやっていない」と同様、罪無き人がかってに罪人にされちゃうなんて、まったく納得行かずに憤りを感じちゃいました。
何も知らない人ばっかり捕まえて、収容所に入れて拷問したって、時間と税金の無駄遣いだと思います。もちろん拘束された本人達は気の毒で仕方ありません。
ただ、革新的な強い目的意識も下調べも無しに、あのような危険な地域に行っちゃう若者達もどうかな?ってオバサン的には突っ込んでしまいました。その安易な行動のせいで仲間を一人失ったわけだし。
一番の疑問は、アメリカと仲が悪いはずのキューバに収容所があること。確か私がグアテマラに行った2001年当時ですら、「アメリカとキューバは国交が無くて、パスポートにキューバの入国スタンプが押してある人は、アメリカに入国できない」っていう噂があったはずなのに、どうして???(<=この噂の真意はわかりません)
2007年02月14日 22:41
●rokoさん、コメントありがとうございます。
こういう映画見ちゃうと、正義の名の下の戦争どころか、アメリカの偽善の押しつけ、偽善ならまだしも、アメリカの都合の良い侵略としか思えないです。

●Kさん、こんばんは。
昨日の今日なのに、早いですね~。
キューバがスペインから独立する時にアメリカが援助したことで、永久租借を認められているから。。。(受け売りだけど)アメリカでも、キューバでもないということで、アメリカの法律で認められているような被疑者の権利を認めないのであんな権利無視の虐待が。
でも確かに、あまり考え無しにアフガニスタンに行くのはちょっと浅はかだったかも。

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