クライマーズ・ハイ 見てきました。



 代休をとって映画三昧!と思っていたのですが、暑くて出かける気にならなかったので夕方から。。。と言うわけでクライマーズ・ハイを観てきました。


●ストーリー(ネタバレあり)
 1985年8月12日。群馬県の地方紙の新聞記者である悠木和雅(堤真一)は無二の親友で販売部に勤める安西(高嶋政宏)に誘われ、谷川岳登頂の準備をしていた。
 悠木が安西との待ち合わせ場所である新前橋駅に向かおうとデスクを離れようとした時、県警キャップの佐山(堺雅人)が耳打ちをした。「悠さん、ジャンボが消えたそうです。」と、同時にテレビの臨時ニュースが流れた。さらに通信社の速報が流れた。「共同通信ニュース速報。日航ジャンボ機がレーダーから姿を消えました。」あたりは騒然となった。悠木も登山どころではないとわかっていたが、安西に行けなくなったことを伝えるために駅に行こうとする。しかし悠木は白河社長(山崎努)に呼ばれ、全権デスクを命じられた。乗員乗客524人。単独の飛行機事故としては当時世界最大、最悪の事故。それがまさに今起きているのだ。
 「俺も現場に行かせてください!」
 現場は長野と群馬の県境。もし群馬なら北関東新聞の地元。本当の現場はどこなのか。当時のレーダーは数キロメートルの誤差は普通で現場の正確な場所が掴めず、自衛隊や警察地元の消防団、報道陣は動けずにいた。
 その頃、1人谷川岳に挑んでいたと思っていた安西は新前橋駅で倒れていた。クモ膜下出血。翌日その知らせが悠木の元に届いた頃には手術も終わっていたが、意識は戻らずにいた。このまま植物人間になってしまう可能性も高いという。
 現場に向かった佐山と神沢がそこで見たものは地獄のような光景だった。飛行機の破片にまみれて転がっているのは人の腕、内蔵の飛び出た遺体。。。地元の人たちは、ここは俺たちの庭だ。もっと早く出動できていれば後2、30人は助かったんだ。でも警察達が出動させてくれなかったと悔しがる。
 無線機を持っていない佐山と神沢は急いで下山。電話を探す。締め切りは午前1時。
 1時ちょっと前、佐山からの電話を受けた悠木。ところが新聞を作る輪転機が故障し、古い輪転機を使うため締め切りは12時に早まっていたのだ。命をかけた記者雑感は翌日の朝刊には載らなかった。
 翌朝、泥だらけのYシャツで出社した佐山と神沢は朝刊を持って悠木に詰め寄った。「今日の新聞に載らなきゃ意味ないんですよ!」「すまん。」
 佐山が書き直した雑感を悠木は整理部に回す。「悠さん、目が真っ赤じゃないですか」と整理部部長の亀嶋が言う。その雑感には、事故の大きさと自分の力の無さを痛感させられた1人の若い自衛官の姿が記されていた。空を見上げると青い空、白い雲、鳥のさえずり、いつもの山の光景。だが下を向けば死体の山。その自衛官は1人の少女を抱きかかえたまま、その子の失われた腕を探していた。
 悠木は整理部にその雑感を1面に掲載するように指示したが、追村次長は自衛隊の宣伝をする必要はないと2面に追いやったのだ。さらに次長は事故を1面からはずし、当時注目されていた中曽根総理の靖国公式参拝を載せろと言う。群馬の事故を群馬の地方紙がやめるわけに行かないと悠木と対立する。
 自分の思い通りの新聞が作れない。悠木は次第に失望していく。

 一方、初めて死体を見た神沢の様子がおかしい。自分が書いた雑感。悲惨な事故現場をリアルに描写したその雑感は悠木に却下された。「これを読まされる人の立場にもなって見ろ!」「デスクは机の前に座っているだけ。僕らは実際に現場を見てきたんだ。読者にはすべてを知る権利がある。」「おまえを調子づかせるために520人は死んだんじゃない!」
 その夜、夜中起き出した神沢は社を飛び出した。心配して彼を追う同僚に「必ず電話を見つけます!」と叫び街を疾走する。道路に飛び出した彼は車に跳ねられ死亡してしまう。

 そんな時1つのスクープを地域報道班の玉置が持ってきた。事故の原因だ。JAL123便は以前事故を起こし後部にある隔壁を修理していた。この隔壁は飛行機内部の圧力を維持するための隔壁だが、これが圧力に耐えきれずに吹き飛び、それが尾翼にあたって破損。制御ができなくなって墜落に至ったというのだ。ネタ元は恩師の大学教授。しかし現段階では又聞きだ。悠木はチェック・ダブルチェックと事故調査委員会にチェックするように佐山に指示する。自分1人で大丈夫ですという玉置だが、ことの大きさを考えて悠木はベテランの佐山に任せ、玉置はそれをサポートするように言う。
 2人は早速事故調が宿泊している宿に向かう。佐山が宿に侵入し、事故調に詰め寄る。
 一方締めきり時間がない。悠木は販売局に整理部の吉井(マギー)を忍ばせた。吉井はトラックの鍵を盗みだし悠木に渡す。それに気がついた販売局の伊東は編集局に乗り出してきた。普段から「試しに空白のページを2,3ページ作ってみろよ。俺たちがきちんと売ってやるよ。」と言っている販売局と編集局のバトルが勃発。
 締め切りまで後数分。佐山から電話がかかってきた。いつも相手にしている県警ならばその表情から真意を掴めるが、初対面の事故調では、自信が持てない。そう報告する。このスクープを載せれば世紀のスクープだ。しかしもしガセなら新聞社は窮地に立たされる。局長、次長、部長、そしてみんなが見守る中、悠木は決断する。



●感想、思ったこと
 まず思ったのは土合駅がなつかしぃ~。大学時代に行ったことがあるんです。登山やロープーウェイに乗るためではなく、ただ友達と歌を歌いに行ったんです。作品中にも出ていましたが、土合駅の下りホームは地下約80m。改札から462段+24段の階段を降りる必要があるんです。2000年の乗車人員は1日あたり17人という無人駅。ここで歌を歌うとトンネルに響いて下手でもうまく聞こえるんです。しかも誰も人がいないから迷惑もかからない。平日は1日8本(通過する電車を含む)しか電車が来ないから、線路に降りてトンネルを歩くこともできる。(いや、ダメでしょ。)と言うわけで、歌と電車をこよなく愛する友人に連れられて行ってきたんです。変わってないなぁ~。
 そして、次に思うことは取材の大変さ。たった20年前なのに、通信手段が有線電話なんですね。今ならデジカメで撮って、携帯つなげてピピッと送信ですよ。山中だって衛星電話で通話・通信可能。下山して電話借りるなんてことしなくても・・・。スピードが命の報道にとって、無線機ないなんてそんな致命的なことあるんですかね~。逆に言えば昔は記者が取材していたけれど、今じゃ記者はデスクにいて送られてきた映像や写真を元に記事を書くってこともできちゃうんですね。

 映画の感想としては、とっても面白かった。上述のストーリーでは割愛していることも多く、だいぶ凝縮された内容でした。でもそれが逆に緊迫感というか、一刻を争うスピード感、そして臨場感が伝わってきました。佐山が書いた雑感のシーンでは鳥肌が立ってしまいました。
 そして報道の葛藤もおもしろい。みんながいい新聞を作ろうとしているけれど、それぞれの考えが違うために起こるバトル。自分の思うように作れない悔しさ。こうしたいと思っているのに上の決定で思うようにできないってことは新聞社じゃなくてもどんな仕事をしている人でもあると思います。直球しか投げられない悠木があそこでGoサインを出さなかったのは悔しいけど、逆にそれが良かったのかなと思います。
 ちなみに後ろに座っていたおばちゃん達の感想は、堤真一かっこいいわねぇ~。私は堺雅人が好きなのよぉ~。だそうです。確かに堤真一かっこよかったです。堺雅人はあまり好きじゃないんですが、でもこの作品ではいいあじ出してました。
 もう終わってしまう映画館も多いですが、ぜひ見て損はない映画だと思います。

 それにしてもJALってこんな事故を起こしておいて、ちょっと前までまた不祥事のオンパレードでしたよね。部品落下とか操縦室からけむりとか、朝食用カートをトイレにしまうとか、挙げ句の果てには管制官の指示を勘違いとか・・・。ホントに危機感ない会社だね。

p.s.
 今日の劇場は映写機のレンズが汚れているのか、ず~っとスクリーン上部にゴミが写りっぱなし。気になって、気になって。。。


観て良かった度:●●●●● 5点












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この記事へのコメント

2008年08月02日 22:35
二十数年前の記憶が蘇ってきました。
映画ではどの役者さんももの凄く、力んでいました。
それだけ、もの凄い事件というか事故だったわけです。
通信手段が有線電話の時代ですから大変です。
時代の遠さというか、時の流れを感じました。
2008年08月02日 22:45
土合駅降りられたんですか。私は昇りました。確か、土合駅って上りと下り全然別の場所にあるんですね。フーフー言って、とても歌える余裕ありませんでした。
2008年08月03日 00:45
●keyakiyaさん、コメントありがとうございます。
当時小学生だったので正直ことの大きさを理解できていませんでした。今思うとホントにすごい事故だったんですよね。
携帯電話やインターネットなど、情報・通信関係は20年ちょっとでかなり進化していますが、それ以外はあまり21世紀っぽくないですね。

●佐藤秀さん、こんばんは。
そうなんですよね。上り線は地上にホームがあるのに下りは地下80m。やっぱり今でもエスカレーターの場所だけあって、エスカレーターは作られていないんですね。
音痴な僕ですが、気持ちよかったですよ。
2008年08月04日 10:03
こんにちは。TBどうもです。
>上の決定で思うようにできない
まさしくおっしゃる通りです。
彼の最後の決断は悔しいながらもそれで良かった。
自分の意思で決めた決断であるが故に。
甚く感情移入して観ていました。
2008年08月05日 07:53
たまさん、コメントありがとうございます。
賛同が得られて嬉しいです。心の中では「出しちゃえ!」って祈っていただけに結果は残念でしたが。
だからその後、「おまえはいざというときは必ず逃げる」という上司の言葉が、邪魔で邪魔で。。。あの台詞はなかった方がいいなぁと思います。

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    Excerpt: 2008年:日本 原作:横山秀夫 監督:原田眞人 出演:堤真一、堺雅人、尾野真千子、高嶋政宏、山崎努、遠藤憲一、田口トモロヲ、堀部圭亮、小澤征悦 1985年8月12日、群馬県、北関東新.. Weblog: mama racked: 2009-09-02 20:20
  • 「クライマーズ・ハイ」 チェック、ダブルチェック

    Excerpt: 「クライマーズ・ハイ」とは登山時に興奮が極限状態にまで達し、高さへの恐怖心がなく Weblog: はらやんの映画徒然草 racked: 2009-10-05 05:18
  • クライマーズ・ハイ

    Excerpt: 1985年、群馬県御巣鷹山で起きた日航機墜落事故をめぐって翻弄される地元の新聞記者たちの姿を描く社会派ドラマ。横山秀夫が自らの体験を反映した同名小説が原作。監督は原田眞人、キャストは堤真一、堺雅人、尾.. Weblog: Yuhiの読書日記+α racked: 2009-10-18 22:34
  • 堤真一 堺雅人 / クライマーズ・ハイ

    Excerpt: ワケもなくトラック野郎 毎度です。 ギャグ漫画ゲリラ・中川ホメオパシーのキヌガワマサト担当、ブロッケンです。 横山秀夫原作の映�... Weblog: 中川ホメオパシー  racked: 2010-02-20 13:18