映画:青い鳥



 公開から1ヶ月で終わってしまう・・・。見ようか見まいか迷っている間に最終週に。。。迷ったらとりあえず観に行くことに。と言うわけで、青い鳥を観てきました。


●ストーリー(ネタバレあり)
 3学期初日、1人の少年・園部真一(本郷奏多)は学生服の上にコートを羽織り、マフラーをして、自転車で登校する。
 長身の男は本を読みながらバスに乗っている。彼の名は村内(阿部寛)。彼が降りたバス停は“東ヶ丘中学校前”。休職した先生のかわりに今日から臨時で働く教師だ。
 ここは東京都美乃市の東ヶ丘中学校。何気ない登校風景にみえた。
 園部は学校の前にあるコンビニエンスストア“NOGUCHI”に目をやる。シャッターは閉ざされ、都合により閉店したという張り紙が貼ってある。

 2学期、2年1組の生徒が自殺未遂を計った。彼は自宅のカーテンレールにロープを縛って、首つり自殺を図ったのだ。彼の名は野口哲也(山崎和也)。父親は脱サラをしてコンビニを始めた。クラスメートには「コンビニくん」とあだ名をつけられ、お菓子を盛ってくるように要求されていたのだ。野口は笑いながらそのお菓子を差し出す。「俺、がんばっちゃったっすよぉ~。」
 彼の遺書には「僕を殺した犯人です。」と3人の名前が記されていた。その遺書は週刊誌にも載せられたが名前は伏せられたままだ。マスコミは騒ぎ、教師たちは生徒指導を強化。生徒たちに反省文を書かせた。心の悩みの少しでも支えとなればと、“青い鳥BOX”を設置し、自殺するまで思い詰めないようにも務めることにした。
 しかし、野口は転校し、心労で担任の髙橋先生は休職してしまう。

 村内先生は2年1組の臨時担任。新学期初日、彼が自己紹介するとクラスから笑いが。「せんせいは、ど・ど・どもります。」極度のどもりなのだ。「でも、本気で喋ります。だ・だから、みんなも本気で聞いてください。」
 クラス中の笑いをかき消したのは、そんな先生の一言だった。「忘れるなんて卑怯だな。」そう言うと日直に野口の机と椅子を戻させ、誰もいない野口の席に向かって「野口くん、おはよう」と話しかける。
 「俺たち完璧に反省したじゃん。」「あ~やって、俺たちのことねちねち責めて、楽しんでんだよ。」野口の事を忘れようとしている生徒たちから反発が起こる。やがてそれは保護者や教師たちにも波紋を広げる。校長(重松収)からはやめるように言われるが、村内先生はやめようとはしなかった。

 青い鳥BOXの開封の日、生活指導担当の石野先生(井上肇)、島崎先生(伊藤歩)そして学級委員の生徒たちが集まった。しかし中はゴミばかり。唯一あった当初には「青い鳥BOXって何?」とあったのみであった。

 村内先生の野口くんへの挨拶に反発した井上武志(太賀)は、野口の席を外に捨ててしまう。クラスは村内に怒られると言う者、村内先生の毎朝の挨拶をうざく思う者らが言い争いを始める。そこに入ってきた村内先生は、野口の席がないことに気がつき、日直や学級委員に戻すように指示する。しかしいじめっ子である井上がにらむと誰も席を戻そうとはしなかった。
 村内先生は何も言わずに教室をあとにする。井上は「そら見ろ!村内に怒る度胸なんてねぇんだよ。」と叫び出す。しばらくして村内先生が雨でびしょ濡れになった野口の席をクラスに戻し、ハンカチで野口の席の雨を拭き、いつものように挨拶をする。「野口くん、おはよう。」

 2回目の青い鳥BOXの開封の日、今回は村内先生も立ち会った。今回も中はゴミばかり。投書は今回も1枚だ。「人を嫌うこともいじめになりますか?」学級委員が黒板に書こうとすると石野先生はそれを制止する。ふざけた投書ばかりで石野先生は怒り気味。今日は解散しようとする矢先、園部が発言をする。「僕もわからないので教えてください。人を嫌うこともいじめになるんですか?」「ああ、そうだ。心の中で思うだけでも態度に出る。それが一人、二人と増えていけばいじめになるんだ。」「じゃあ、先生には嫌いな人はいないんですか?」「いない!嫌いな生徒がいたら教師は務まらない。」「生徒じゃなくて、大人の中で嫌いな人はいないんですか?今までそう言う人いなかったんですか?」
 そのやり取りに見かねて村内先生が言葉を発する。「間違っている。」
 「それ見ろ、村内先生の言うとおりだ。」と付け加える石野先生。
 しかし村内先生はこう答える。「みんな、まちがっている。」本気で話す人を、本気で聞かないのがいじめだと言う。

 3人の名前は井上と梅田(鈴木達也)だと言われている。園部は野口と友達だったが井上にけしかけられて1度だけ野口にポテトチップスを要求したことがあった。友達を裏切った自分が3人目だと思い、悩んでいるのだ。その思いの丈を村内先生にぶつける園部。
 野口くんは最後までこの教室にいたかったはずだ。しかし転校してしまった。このことはきっと一生忘れることができない。それをみんなが忘れようとするのは卑怯じゃないか。罰ゲームなんかじゃない。責任だ。
 あいつ、頼まれるといつもおどけていて「無理っすよ~。」「頑張ったっすよぉ~。」と嬉しそうに言ってたんですよ。でも、俺がポテトチップスを要求した時に、「園部くんもっすかぁ?」って言ったんですよ。自分に助けを求めてたの気がついていたのに。と涙する園部。
 いろんな人がいる。どもりながらしかしゃべれない人、ふざけたように言わないと本心を語れない人。だから本気で聞かないとダメなんだ。
 「強くなんかならなくていいんだ。人なんてみんな弱いんだから。だから本気で頑張るんだ。」

 村内先生が教室に入ってくると、生徒の1人が「先生、国語の時間じゃないですよ。」「わかってる。変わってもらったから。明日から髙橋先生が戻ってくる。これが僕の最後の授業です。」と言う村内先生。「前に書いた反省文を思い出してください。それでいいと思う人はそのまま自習を始めてください。書き直したいという人は原稿用紙をとりに来てください。」
 反省文は、5枚以上を強制され、先生みんなが読んで合格するまで書き直しさせられていた。島崎先生は、書き直せば書き直すほど、みんなが同じ文章になっていく。試験の回答と一緒だと語っていた。
 一人ひとり、教科書をとりだし、自習を始める。園部はそんなクラスを見回して悩んでいた。しかし席を立ち、原稿用紙を取りに来る者もいた。いじめの張本人と言われている井上だ。「1枚もかけないかもしれないけど、いいっすか?」それを皮切りに、一人、また一人と原稿用紙を取りに行く生徒たち。その中には園部の姿もあった。
 「反省文」と書き、ペンが止まる。園部は消しゴムを取りだし、それを消す。ペンを取り直して「野口へ」と書く。そして野口に伝えたい事を綴っていく園部の姿があった。

 そして村内が学校を去ろうとする。人にものを教えるとは何か、悩んでいた島崎先生が去ろうとする村内先生を呼び止める。村内先生は1ヶ月で生徒に何を伝え、島崎先生や教師たちに何を残せたのだろうか。
 そしていつものようにバスに乗り、いつものように本を取り出す。石川啄木の詩集を。




●感想、思ったこと(ネタバレなし)
 予告編を見た時から、なぜ阿部寛?って思っていました。トリックの上田やチームバチスタの栄光のコメディチックなイメージと、特技か古武術ということもあって強いというイメージなので、ヒューマンドラマでどもりのある教師というのがどうもミスマッチだったからです。実際、自己中心的で口の悪く、協調性に欠けた中年を演じることが多いと思います。本作でも192cmという身長で頭を下げないと教室の入口で頭をぶつけそうな高さが、やはりちょっと違和感を感じます。でも、実際は謙虚で共演者やスタッフなどからの相談にいつも親身になってくれるということで、この映画の村内先生の方が実際の阿部寛に近いのかもしれませんね。
 そんなわけで、どもりながらも(実際はゆっくり喋っているだけであまりどもっていないような気がします)一生懸命に話そうとするその姿は見ている人も本気にさせられます。じ~んと来る映画でした。
 初監督作品とは思えない丁寧な描き方で、いじめという重いテーマを題材にしているにもかかわらず、ほのぼのとした雰囲気さえ漂わせ、ただのいじめという社会問題を取り上げただけの映画ではありません。観る者すべてを「頑張ろうって」いう思いにさせてくれる映画だと思います。
 唯一の欠点は、どもりのある村内先生がそれを欠点と思わず一生懸命に話そうとする姿を対峙させたかったのだと思うのですが、この作品を観る限りはどもりである必要はないように思えます。逆に言うと、吃音である村内先生の一生懸命さが描き足りなかったのかなと思います。唯一残念な点でした。

 話は変わりますが、園部くんは最初の登校時にヘッドホンをつけて自転車に乗っています。しかしその後彼がヘッドホンをつけるシーンはありません。普通は音楽を聴きながら登校、通勤する人は毎日そうしますよね。プレイヤーが壊れてしまったのでしょうか?気になります。
 それとも、東京都が舞台ですが、東京都では自転車やバイク、車を運転する時はヘッドフォンをすることは条例で禁止されています。(条例的には片耳ならOK)それに気がついてその後の撮影ではヘッドフォンをしないことにしたのでしょうか。
 そして、村内先生が初日に乗ったバスのナンバープレートと最終日に帰っていくバスのナンバープレートが同じナンバーでした。撮影ではバスを貸しきりで撮影するでしょうから当然なのですが、実生活ではすごい偶然ですよね。なぜか、たまたまナンバーを覚えていました・・・。もう忘れちゃったけど。
 忘れたと言えば、予備校で「be + 過去分詞」とか「have + 過去分詞」って英語の授業をやっていたけれど、先生が出した問題に答えられなかった…(汗) 英語の文章を読むことは(仕事で)よくありますが、現在完了とか文法用語はすっかり忘れちゃったなぁ~~。。。

 後半はだいぶ変な感想になっちゃいました。オススメの1作だと思います。

 そう言えば、中学、高校と僕もいじめられていたなぁ。中学の時はリーダー格の人とひょんな事から仲良くなったら、回りからもいじめられなくなり、高校の時はリーダー格の人につい切れてしまって、もちろんその時はかなりやられたけど、それ以降は何かあったら助けてくれる存在になっていた。。。
 高校の時の先生は「おまえ、いじめられてるのか?」って聞かれたけど、「はい、●●から、いじめられてます。」なんて答えられないって。使えなぇ先生だなぁと思われるだけです。それでもし自殺になったりしたら、学校側は本人はいじめはないと言っていましたと責任逃れをするんだろうなぁ。



観て良かった度:●●●●○ 4点










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この記事へのコメント

日本インターネット映画大賞
2008年12月24日 17:32
突然で申しわけありません。現在2008年の映画ベストテンを選ぶ企画「日本インターネット映画大賞」を開催中です。投票は1/15(木)締切です。ふるってご参加いただくようよろしくお願いいたします。
なお、日本インターネット映画大賞のURLはhttp://www.movieawards.jp/です。
2008年12月25日 01:11
日本インターネット映画大賞さん、コメントありがとうございます。毎年恒例になりましたね。他の映画ブログには同様のコメントがついているのに、当ブログにはコメントいただけなかったので、とうとうこのブログは映画ブログとして認識されなくなったのかと心配していました。
アンカツ
2011年02月20日 04:32
最近借りました。

阿部寛さんが屋上で見てた写真の生徒の中に野口くんが居るんでしょうか?


それが判りません。
それとも野口くんと同じような自殺行為の生徒を受け持ったとか?

2011年02月21日 01:00
アンカツさん、コメントありがとうございます。
せっかく質問をいただきましたが、2年以上前の映画ですので、忘れてしまいました。すみません。m(_ _)m
アンカツ
2011年02月21日 02:37
こちらこそ、回答ありがとうございます。


原作本買ってみたくなりました。

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