映画:ヘブンズ・ドア



 2/7に公開され、近くの映画館ではもうすでに上映終了が近づいている・・・。麻生内閣級に人気ない映画なの?というわけでヘブンズ・ドアを観てきました。


●ストーリー(ネタバレあり)
 車の修理工の勝人(長瀬智也)は、これまで自由奔放に生きてきた。ある日、社長から突然解雇通達を言い渡される。今日までの給料明細と、先日行われた健康診断の結果を受け取り、帰路につく。
 最近、勝人は突然の頭痛に襲われ、健康診断の結果にも再検査が必要とあり、勝人は病院に向かう。CTスキャンなど精密検査の結果、こぶし大の大きさの脳腫瘍があることがわかった。勝人の余命は3日。すぐに入院するように言われる。
 「3日ってなんなんだよ!」自暴自棄になる勝人は病室でもタバコを吸う始末。
 そんな勝人は7歳の頃から入院している14歳の少女・白石春海(福田麻由子)と出会う。彼女も先天性の疾患と骨肉腫を患って余命あと1ヶ月と言われていたのだ。同じ境遇の二人は意気投合する。
 勝人のベッドを使っていた前の病人は大の酒好き、ベッドの下にテキーラを隠し持っていた。勝人はテキーラを持って病院の調理室へと侵入。レモンと塩でそのテキーラを飲みながら話し込む。
 塩を見ながら勝人は海の匂いがするという。ところが7歳に病院に入ってから一度も外に出たことのない春海は海を見たことがないという。「知ってるか?天国で今一番流行の話題って海だよ。みんな海の話をするんだ。」「天国なんて信じてるの?勝人って子どもだね。」勝人は落ち込む春海の姿を見て、酔った勢いで「よし、海に行こう。」二人は病院を抜け出すことにする。
 一方、K3ホールディングスの社員の安達(大倉孝二)と辺見(田中泯)は、社長・小久保(長塚圭史)の車を運転して社に戻る最中にスケボーで遊ぶ青年を跳ねてしまう。二人は車で病院に駆けつけていた。
 勝人はその車に乗り込み、海へと向かう。勝人は夜通し走り海へと向かう。途中ガソリンスタンドに寄るが、当然お金は持っていない。勝人と春海は車の中に金がないかを探すが、出てきたのは拳銃だった。店主(不破万作)に強盗と勘違いされた勝人は3万円ちょっとの金を盗み逃げ出す。春海は、泥棒するなんて・・・と勝人を責めるが、「ちょっと借りただけだ。絶対返すよ。」となだめる。
 高速道路をさらに進むと、東京の高層ビル群が見えてきた。「ちょっと寄り道してくか。」二人は原宿へと向かう。おしゃれな服なんて着たことのない春海は大はしゃぎ。しかし3万円しか持っていない勝人は銀行に金をおろしに行く。ところがATMの画面には「残高が足りません。」のメッセージ。勝人は紙袋から銃を取り出そうとするが、客が多い。躊躇した勝人は郵便局へと向かい、数百万の金を脅し取る。
 勝人は店に戻り、札束を店員(吉村由美)に突き付け、「釣りはいらねぇ」とそそくさと店を出て行く。
 車の置いてあるところに向かう二人だが、突然の頭痛に襲われた勝人。薬で一命を取り留めた勝人に「生きていたんだ。」と声をかける春海。その頃にはもうあたりは薄暗くなっていた。「なんでそんなに海に行きたいの?」「俺、何もできなかったからさ。人生の最後くらい、最高のエンディングが欲しくなった。それだけ。」
 勝人の気持ちを少しだけ理解できた気がした春海。荷物をトランクに積み込もうとした二人がトランクを開けると、風呂敷に包まれたまんじゅうが。その下には札束。驚く二人だが、高級ホテルのスイートルームに泊まることにする。春海は買った洋服に着替えておしゃれを楽しむ。うまいものを食べたり、死ぬまでにやりたいことを書き出す二人。
 しかし再び勝人の発作が起こる。薬で落ち着いた頃には朝になっていた。テレビでは、勝人が春海を誘拐し強盗をして逃げ出したことになっている。母親(薬師丸ひろ子)も出ていた。勝人が外を見るとパトカーがホテルに向かっている。二人は急いで準備をして逃げだそうとするが、非常階段で警察に見つかってしまう。
 とっさに勝人は春海に拳銃を突き付ける。二人は警察から奪った制服に着替え、車へと向かう。ところが二人を追ってきたのは警察だけではなかった。車を取り返しにやってきた安達と辺見も彼らを追ってきたのだ。「この車盗まれた車なんです。」二人を警察だと思った辺見に勝人は鍵を帰し、代わりにパトカーを奪って逃走する。
 そんな手にひっかりやがって!と部下を叱責する県警本部刑事部部長の長谷川 (三浦友和)。
 警察とK3ホールディングスの手下を振り切った二人は遊園地へと向かう。楽しい時間を過ごした二人だが、三度目の発作が勝人を襲う。しかももう薬はない。
 春海は薬の袋を握りしめ、雨の中薬局を探して走り回る。しかしこの薬は医者の処方箋がないと出せないという。しかしこの薬がなければ勝人は死んでしまうかも知れない。春海は店員(徳井優)に銃を突き付ける。「おもちゃなんだろ。こちらによこしなさい。」春海は引き金を引く。
 薬を手に入れた春海は走って勝人の元へと向かう。

 「なんで誘拐犯のために拳銃を撃ってまで薬を手に入れようとしたんすかね~?ヘルシンキ症候群っすかねぇ~?」「しらね~よ!」

 二人はタクシーに乗り、ホストクラブへと向かう。春海の最後の願い、素敵な男の子とキスをするというのを叶えるためだ。ところがK3ホールディングスの手下達が二人を捕まえる。「まんじゅうはどこだ?」二人は工事現場(?)に連れて行かれ、社長の小久保が勝人に銃を突き付ける。「全部、使っちまったよ。」ところが安達と辺見は社長を裏切り、社長に拳銃を向ける。その瞬間、二人は逃げ出した。ところが外には警察が待ちかまえていた。そんな時、4度目の発作が勝人を襲う。泣きながら叫ぶ春海「死にそうなんだよ。救急車呼んでよ!」
 救急車で運ばれる勝人は、意識を取り戻した。隙を見て救急車から逃げ出した二人は、勝人の実家へと向かう。勝人の最後の願いである母親に会うためだ。
 しかし、今まで自由勝手に生きて来た勝人は今さら両親に会わせる顔がない。「死にたくねぇ。」「大丈夫。怖くないよ。。。」
 両親に会うのをやめた勝人は子どもの頃によく来た海へと向かう。肩を並べながら海を見ている二人。勝人はそっと春海の肩に頭をもたれかける。
 そして涙を流す春海。勝人は天国への扉(ヘブンズ・ドア)をくぐっていったのだった。



●感想、思ったこと(ネタバレあり)
 昨年、アンジェラ・アキのコンサートに行ってきたんですが(記事はこちら。)、その時に歌った“Knockin' on Heaven's Door”(こちらで試聴可)を聞いたときに、涙があふれてしまいました。と言うわけで、その時からこの映画は絶対観に行く!と誓っていたのですが、気がついたら上映終了が近づいていて慌ててみてきました。
 その後気がついたのですが、“Knockin' on Heaven's Door”は、今までで泣けた映画ベスト5に入る僕の彼女を紹介しますでも使われていた曲なんですね。そんなことはすっかり忘れていたのですが、曲を聴いただけで、理由はわからなくても悲しさという感情は蘇ってくるなんて音楽の力ってすごい!とあらためて実感です。
 映画と話は変わってきますが、アンジェラ・アキANSWER僕の彼女を紹介しますサントラCDを買ってしまいました。

 話を映画に戻しますが、映画としてはいまいちでしたね~。水曜日のレディスデイだったので、周りはほとんど女性だったのですが(しかもかなり混んでいてビックリ)、ラストで泣いている人もちらほらいたんですけど、僕的には。。。
 しんみり泣かせる映画なら、K3ホールディングスとかいらないし。この映画にカーチェイスとか期待していないのに、画蛇添足(がだてんそく)のような気がします。すべての雰囲気をぶちこわし。しかも最後に安達らが裏切った理由もわからないし。
 “やりたいことリスト”は、余命幾ばくもない人が書いたものではないけれど、パーフェクトワールドで、ケビン・コスナー扮する脱獄犯・ブッチが、逃亡中に誘拐したフィリップを家に返す前にやりたいことリストを書かせたというエピソードが出てきます。この映画がまた、泣ける映画ベスト5に入る良い作品で、この映画とだいぶかぶるところがあって、感情移入ができなかったんですね。
 どこかで見たことあるストーリーばかりで、残念ながらほとんど感動はしませんでした。う~ん、残念です。
 突っ込みどころも満載で、あんなにいろいろな県をまたいで移動しているのに、県警の一介の部長が県を越えて仕切れるんだろうとか、崖から落ちて無傷とか、余命1ヶ月のわりに妙に元気な春海とか・・・。まぁ、突っ込みは置いておいてもやっぱりねぇ~。
 主役の二人、特に福田麻由子が良い演技をしていて、脇役もベテランで固めていただけにもったいないです。

 話は変わりますが、春海が薬局から拳銃で脅して薬をもらうことに対して「ヘルシンキ症候群っすかね」って話をしているのを聞いて、違和感が。「ストックホルム症候群」なんじゃないの???
 地理に疎い僕は、ヘルシンキとストックホルムって近いからどちらでも呼ばれることがあるのかな?と思いましたが、ストックホルムはスウェーデンの首都、ヘルシンキフィンランドの首都。距離にして300km弱ですから近いと言えば近いですよね。1973年ストックホルムで起きた銀行強盗事件で、犯人は1週間人質をとって立てこもった事件があったそうなのですが、そこで人質が犯人を弁護したり、警察を非難したり、犯人と結婚するということがあり、ストックホルム症候群と名付けられたそうです。
 一方、ヘルシンキ症候群は、ダイハードやノッキン・オン・ヘブンズ・ドアで言われているものの、それ以外ではほとんどヒットしないので、おそらくストックホルム症候群が正しいのでしょうが、なぜヘルシンキ症候群と言われているのか不明でした。。。ご存じの方いらっしゃいましたら、コメントよろしくお願いします。





観て良かった度:●●●○○ 3点











この記事へのコメント

2009年03月02日 23:04
リアリティもないけど完全なファンタジーでもない、みたいな感じの曖昧さが私はツボでしたよ。
ただそういう曖昧さを良いととるか、悪いととるかはやっぱり見る人によるのかな~っていう感じはしますね。
2009年03月03日 01:16
GMNさん、おひさしぶりです。
確かにそう言う表現もありだと思います。善し悪しがあると思いますが、残念ながら僕的には・・・。
ところで、今時ああいう裏のお金って、まんじゅうの下に隠すんですかねぇ~?

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