中島みゆき 3回目 夜会 Vol.16 ~夜物語~ 本家・今晩屋




 今年3回目の中島みゆき夜会Vol.16 ~夜物語~ 本家・今晩屋に行ってきました。(今年1回目の記事はこちら。2回目の記事はこちら。)

 1回目の記事2回目の記事を読んでくださっている方には何度も書いて申し訳ないのですが。。。このブログは一応映画ブログとダイビングの2本柱なので、“夜会”って何?という人も多いでしょう。友達からはディナーショーとは違うの?と言われてしまいましたが、全く違います。コンサートとミュージカルと芝居を足して3で割ったようなものと説明しています。ですからストーリーもあるんですね。

 ちなみに毎年夜会のチケットは高価(2万円)で、しかもなかなか入手できないので有名なんです。去年は1枚もチケットを入手できなかったので今年は気合いを入れたら4回分のチケットが・・・。1回分は知人に買ってもらい、それでも売れ残ってしまい3回観に行くことに。と言うわけで、今回は3回目。つまり6万円目の鑑賞です!!

 1回目は予習をしていなかったのでなんにも意味がわからず。そこで森鴎外山椒大夫を読んでリベンジした2回目はストーリーが何となくわかり、感動。そして3回目の今回はオペラグラスを持って行き、表情も観察です。


●ストーリー(ネタバレ??。個人的な解釈が付け加えられています。)
~第1幕~ 縁切り寺 ある沼のほとりに建つ尼寺。除夜の鐘の鳴る夜、寺の境内では暦や成仏双六を売る売り子(中島みゆき)がいる。ところが隣に有名な寺があり、こちらの寺には人が来ない。そんな時、元画家のホームレス(コビヤマ洋一)がやってくる。自分の名前も、何から逃げているのかも忘れてしまったという。竹という名のこの寺の庵主(香坂千晶)は、売り子に温かいお茶を、ホームレスには着物を惜しみなく与えようとする。
 そこに脱走した禿(かむろ・土居美佐子)がやってきていたずらをする。驚く暦売りだが、庵主は「禿はどこまで来ましたか?」と尋ねる。

 己の足で結界に
 駆け込んでこその駆け込みの
 寺は迎えに行けませぬ
 寺は盗みに行けませぬ
 禿は自ら駆け込んで
 縁を切らねばなりませぬ

 しかし禿は鞠で遊んでばかりで自らの足で寺に入ろうとしない。

 ライショ・ライショ・ライショ
 来生・来生・来生

 そんな時、寺から転がる鞠につられて禿が寺に駆け込んだ。寺に駆け込んでからもいたずらする禿は寺に火を放ってしまう。燃えさかる寺に袈裟に身をまとい、錫杖を持ったホームレスが焼け落ちる寺に入っていく。
 焼け落ちた寺の脇では、禿と庵主が沼へと身を投じる。

~第2幕 水族館、船、今晩屋~
 水族館でアルバイトの暦売り(中島みゆき)が暦を売っていた。大晦日に正月休みの旅行を申し込む人なんていないし、暦なんてどこの家でももう飾られていて今さら暦を買う人なんていない。そう愚痴をこぼす暦売りの横に、水族館のスタッフ(香坂千晶)が現れ、魚に餌を与えている。スタッフは暦売りにも施しを与えるが、「私はこれは食べられない。」とこぼす。
 次に現れたのは逃げ出した花嫁(土居美佐子)。彼女は何かから逃げ惑っている。そんな彼女にもスタッフは魚を与える。
 次に現れたのは左官(コビヤマ洋一)。どこからともなく現れた彼は水族館のあちこちを補修しはじめる。
 109個の鐘の音が響きながら気がつけば、皆おらず、魚たちも去り、暦売り一人となっていた。

 暦売りの前には十字路が出来ていた。裏切り者に焼かれた烙印は十文字。額を焼かれよ十文字。母(中島みゆき)をはさんで厨子王(コビヤマ洋一)と安寿(香坂千晶、土居美佐子)がそう罪状(?)を読み上げる。

 安寿恋しや、ほうやれほ
 厨子王恋しや、ほうやれほ
 鳥も生あるものならば
 疾う疾う(とうとう)逃げよ、逐わず(おわず)とも

 盲目の母は竿をふりながら歌う。

 安寿と厨子王はその船にのる。

 赦され河、渡れ
 赦され河、渡れ

 今晩屋では
その鏡に映るものは 隠しきれぬ愚かさと
その鏡に映るものは 拭いきれぬ悲しみと
その鏡に映るものは 失くしてから気が付く愛しさ
その鏡に映るものは 置き忘れた約束と
その鏡に映るものは 通り過ぎて気が付く誤ち
 と歌われる。
山椒大夫のストーリーは2回目の記事で。)

 3回目も涙です。1回目見た時は、ストーリーがわからなかったというのも大いにありますが、それ以外のことも含めて最低みたいなことを書きました。でも意味がわかるとこれほど泣けるものかと。個人的に芝居などを観る前に観客に予習をさせなくてはいけないようなものは認められませんが、そういう風に作られているものはどうしようもありません。
 みゆきワールドは深すぎて3回観ても完全に理解できるわけではありませんが、最初お寺の庵主は名前が竹と言うし、女中の姥竹なのかと思っていました。他のブログでもそう解釈している人が多いようです。でも、庵主と安寿をかけているとも見られますし、理解に迷っていました。第1幕の最後で安寿の生まれ変わりである禿と庵主が同時に沼に飛び込み、それぞれが片方ずつのわらじを残していることから、庵主も禿も両方とも安寿の生まれ変わりなのかなと思います。第2幕の第2場でも香坂千晶、土居美佐子の二人が安寿を演じていることからそうなんだろうなと思います。とすると、庵主や水族館の飼育員がホームレスや暦売り、魚たちに執拗なまでの施しをするのは、自らの命を引き替えにして弟に逃げさせた安寿の生まれ変わりで、禿や花嫁は弟が助けに来てくれるのを心待ちにしながら死んでいった安寿の生まれ変わりなのでしょうか。だから禿も花嫁も一言も言葉を発しない(マイクすらついていない)のもわかるような気がします。
 親子の苦しい輪廻から解き放たれずつらい過去を、前生(ぜんしょう)、今生(こんじょう)、来生(らいじょう)と繰り返していきますが、第1幕では禿が寺に駆け込み、第2幕でも姉と弟は船に乗り込みます。あの船は「赦され河、渡れ」ということなので、売られていった船ではなく、三途の川のことなのかなと思います。第1幕でも第2幕でも輪廻から解き放たれたのではないかというふうに読み取れます。みゆき風の救いなんでしょうね。
 終わったあとの安堵感がたまりません。

 話は変わりますが、第1幕で、「こちらも渋い寺ですよ~。」と「こちらもしぶとい寺ですよ~。」と間違えるシーンがあるんです。(脚本は「しぶとい寺ですよ~」が正解。)でも、3回目の今宵は「こちらも渋い」と言いかけて気がついたのでしょうか、「こちらもしぶぶぶい寺」と言っていました。
 他にも「ひしゃくを持って行かないで~♪」と中島みゆき9枚目のシングル“ひとり上手”の一節のメロディーで言う台詞があるんですが、「ん?昨日より音程高くない?」と思ったら「ひしゃくを持って・・・。いくら何でも高すぎたわね~。もう一度、ひしゃくを持って行かないで~♪はいどうぞ。」と言っていました。会場も笑い、相手の香坂千晶さんも笑いながら「あなた、本物持ち出したわね~」と続けていました。昨日の最後の挨拶で「毎回間違えないように緊張してお送りしております」と言っていただけに余計笑ってしまいました。今回の挨拶では、「残すところあと6回。間違えないで終えることが出来る日はあるんでしょうか。」と挨拶をしておりました。「スタッフの話では雨が降っているそうです。ドキッとしたあなた、傘をお持ちでないですね。何でグッズで傘を用意していなかったんだろう。」と悔しがっていました。幸い傘をさすほどの雨でなかったのでよかったですが。

 いろいろな解釈の仕方が出来て、いろいろ考えさせられる夜会ですが、次回は予習の必要ない演題をお願いします。

p.s.
 “ほうやれほ”のメロディがロシア民謡の“ヴォルガの舟歌”に聞こえるぅ・・・。








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