ミュージカル:雪ん子




 ファミリーミュージカル劇団四季雪ん子を見てきました。子供向けと思いきや、ウルウルしてしまいました。




●ストーリー(ネタバレあり)
 江戸の町。相次ぐ地震や大火事で荒れ果ててしまっています。親を亡くした子、子を亡くした親・・・。さらに何十年ぶりの大雪に見舞われ、孤児(みなしご)となった子ども達はスリで稼ぐしか生きる術がありませんでした。
 天空に暮らす雪の王(石原義文)と王妃(横山幸江)の娘である雪の子は掟によりて12歳になると地上に降り、地上の汚れを清めなくてはなりません。そして今日は12歳になったゆき(笠松はる)が地上に降り立つ日なのです。王は子ども達のスリを辞めさせ、まっとうな仕事に就かせるという使命を与えます。しかし王妃は荒れ果てた地上、そして雪のよう心を冷たく閉ざしてしまっている江戸の町にゆきを行かせたくないと思っていました。しかし掟には従わなくてはなりません。

 地上に降り立ったゆきはスリの子ども達を探そうとします。そこで出会ったのは人さらい(加藤敬二)でした。人さらいは何も知らないゆきをどこかに高くうち飛ばそうと、ゆきを騙します。「おじさんがスリのところまで案内してあげよう。」純白なゆきはその言葉を信じて人さらいについていきます。
 人さらいは葬儀屋黒兵衛(川口雄二)とその妻・つぎ(羽永共子)にゆきを売ろうとします。「葬儀の時にゆきを泣かせれば葬式が盛り上がって商売繁盛だぜ。おい、ゆき。泣いてみやがれ。」ゆきはあまりの仕打ちに泣いてしまいます。
 そこに現れたのは俵屋の番頭・平助(神保幸由)です。平助は旦那からいい子どもがいたら連れてこいと言われていました。と言うのは財産に恵まれてはいましたが、子宝には恵まれなかったのです。金で何でも解決できると信じている俵屋は金でいい子を買ってこいと番頭に命じていたのです。
 平助は葬儀屋よりも高い金でゆきを買おうとし、もめ始めてしまいます。ゆきはその隙に逃げ出します。そしてスリの子ども達の1人、はやてのげん(萩原隆匡)に出会います。最初はゆきを拒むげん。「おめぇ、親は?」「空の上で見守ってくれているの。」という言葉を、聞いたげんはゆきも孤児であると勘違いし、暖かく受け入れます。げんはスリの仲間、韋駄天(いだてん)のくろ(笹岡征矢)、仏のさぶ(山本道)、ドジのまさ(白澤友理)、さくら(荒木舞)、うめ(桜小雪)にゆきを紹介します。そしてみんなはスリの親方である義兵次(牧野公昭)のところにゆきを連れて行きます。義兵次は足を痛め自分ではスリができず、子ども達にスリのテクニックを教えて代わりにすらせていたのです。その義兵次は自分から財布をすれれば仲間に入れてやると言いますが、すりなんてやったことのないゆき。それを見ていたみんなが協力してゆきに親方の財布を手渡します。そんなこんなで仲間に入ることが出来たゆき。しかしゆきはスリはせず、もっぱら食事やみんなの世話をする世話係になります。
 ゆきはみんなの世話をしながら、子ども達にまっとうな仕事を探して回ります。しかし不景気な世の中、まっとうな仕事は見つかりません。親方も「もうあきらめて、おめぇもスリをしたらどうだ。」と言います。しかしゆきはあきらめません。
 そんな時、平助がゆきを見つけます。10両溜めることを目標にしている義兵次に平助はゆきを100両で売れと言います。100両あれば店でも出して子ども達にまっとうな仕事をさせることができると言います。内心は子ども達にまっとうな仕事、まっとうな暮らしをさせてやりたいと思っていた義兵次は、ゆきを平助に売ってしまいます。
 子ども達はゆきがいなくなって落ち込みます。スリにも身が入らず、稼ぎもがた落ち。
 耐えられなくなった子ども達は俵屋へ向かいます。ゆきに会えた子ども達ですが、すぐに番頭に追い返されてしまいます。子ども達がまっとうな仕事に就けると思って平助にわざと捕まったのに、まだまっとうな仕事に就いていないことを知ったゆきは心を痛めます。子ども達はおゆきねぇちゃん寂しそうだったよ。お金を返して、おゆきねぇちゃんを返してもらおうよと言う子ども達。「その金だが、平助は何か言って名かったか?」と問う義兵次。「なんにも。100両でおゆきねぇちゃんを買った。」と言ってたよ。義兵次は平助から手付けの25両しかもらっていなかったのだ。平助は俵屋に忠実なようで、実は人をだまして私腹を肥やすような奴だったのです。
 しかも俵屋に人さらいと葬儀屋の夫婦がやってきて、おゆきは自分の娘だと言います。娘を返さなきゃ金をよこせという3人に、俵屋の蔵右衛門(山口嘉三)と妻きぬ(菅本烈子)は3人に大金を払おうとします。それを見ていたゆきは、みんな金の亡者であることに心を痛めます。しかも春が近づいており、ゆきは体長を崩します。
 そんなゆきはもう一度子ども達に会いたいと、スリのねぐらに向かいます。子ども達と義兵次、そしてゆきを追ってきた俵屋と葬儀屋、人さらいが集まります。ゆきは自分はゆきの精で春になれば天上に戻らなくてはいけないと言い残し、天上に去っていきます。
 スリの子ども達をまっとうな仕事に就かせられなかった。何も出来なかったゆきは天上に戻って悲しみます。しかしその頃、地上では、みんながゆきがいなくなったことを悲しみ、そしてこう歌います。

> 元気出せよ おゆきちゃん
> もうだいじょうぶ
> 仲間は死ぬまで
> 持ちつ持たれつ助け合う
> 困った時はお互い様だ
>   :
>   :
> 仲間があれば闇夜も明るい
> 足並み揃えて口笛吹こう

 おゆきが地上でしてきたことは無駄ではなかったのだ。

※括弧内は鑑賞日のキャストで、別の日は別のキャストが演じている場合もあります。




●感想、思ったこと(ネタバレあり)
 ファミリーミュージカル、子供向けのミュージカルだと思って油断していたら、最後はウルウルしてしまいました。寒い冬に心温まる作品でしたね。
 主役の笠松さんの名前は「はる」でも春になると天上に帰っていかなければならないなんてちょっと複雑な心境?そしてスリの女の子・うめ役は桜小雪さん。うめ役なんだけど桜、そして小雪なんですね。そしてゆきの妃は幸江(ゆき・え)さんだったり、平助役は幸由(ゆき・よし)さんと、春や冬を連想させる役者さんが多いように思うのは気のせいか?
 ちなみに原作はモチモチの木斎藤隆介。幼稚園の頃に絵本を持っていて好きな作品だったのですが、すっかり忘れていました。今の幼稚園でもあるのかなぁ?僕は好きだったけど、どれくらいメジャーな作品なんだろう?

 劇が終わると役者さんは一斉に会場に降りてきます。そして通路を走ってロビーに向かいます。自由劇場は正直小さなロビーなんですが、そこに役者の方が衣装のまま待ってくれていて、握手などをしてくれました。
 僕はあの加藤敬二さんのところへ向かいます。いきなりのことで「ありがとうございました。」「楽しかったです。」しか言葉が見つかりません。本当は聞きたいことや言いたいことあったのに・・・。握手して浮かれるよしなです。
 そして次は主役の笠松はるさんのところへ。笠松さんはホントかわいらしくて、小さくて華奢な体、そんな笠松さんが両手で僕の手を握ってくれたら、おじさん舞い上がっちゃいます。こちらもやっぱり緊張して「ありがとうございました。」としか言葉が出ない。笠松さんはウエストサイド物語、3年ぶりにお会いしました。(その時の記事はこちら。)役で言えば味方さんが好きなので、平助は味方さんで見たかったなぁ。
 かわいそうなのは、雪の王の石原さんと妃の横山さん。最初と最後にちょろっとしか顔を出さず、しかも天上という設定上、見えにくい位置にいたこと、そして子供受けする役柄ではないこともあって、握手を求める人はほとんどいませんでした。扉の横で「ありがとうございましたぁ。」とお辞儀をしていましたが、心なしか寂しそう。
 ミュージカルも、終わったあとも楽しい作品でした。キャストの皆さん、スタッフの皆さんありがとう!





観て良かった度:●●●●● 5点 最低1点、最高5点




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