映画:僕と妻の1778の物語



 最近泣いてない。悲しい映画を観たりして泣くとすっきりしません?泣く場合に限らず、感動したり、お年寄りに席を譲るなど温かい場面を目撃したりして心がすっきりすることを「カタルシス効果」と呼ぶそうで、心理療法としても使われているそうです。また、感動した時に流れる涙にはストレスにさらされた時に放出されるホルモンが含まれていることから、ストレス解消にもなると言われているそうです。
 そんなわけで泣けることを期待して僕と妻の1778の物語を観てきました。



●ストーリー(ネタバレあり)
 SF作家の朔太郎(草なぎ剛)は、小説のネタを考えながら街を歩き、銀行に入っていく。そして窓口の女性に尋ねる。「火星に生物がいたとしたら、平均気温-43℃の世界にいる生物がタコのようなかたちなわけがないんだ・・・。どんな姿だと思う?」窓口の女性は答える。「そうですね。昆虫のような姿ではないでしょうか。ハイ、こちら、今月のお小遣いでございますね。」とおろしたお金を手渡す。隣にいた男性は唖然とするが、朔太郎は「そうか!昆虫の姿か!」と大喜びで家へと戻る。その窓口の女性は節子(竹内結子)。朔太郎の妻なのだ。高校1年の夏休みにデートして以来、16年経った今でも仲むつまじいままだ。
 しかしSF小説の人気は下降線。編集者の新美(陰山泰)からは、恋愛ものも書いてみないかと誘われる。現に朔太郎の同期の作家であり、友人でもある滝沢(谷原章介)はSF小説から恋愛小説に転向してからは人気絶頂の売れっ子作家となったのだ。しかし朔太郎はSF小説にしか興味を示さず、節子もその事を理解し、書きたくない小説を書く朔太郎なんて嫌いという。
 ある日、隣のおばさんが栗をお裾分けに持ってきた。喜ぶ節子だが、突然の腹痛に襲われて栗を落としてしまう。隣のおばさんは慌てて水を持ってきてくれた。そして「もしかして?!」とにやにやする。節子も妊娠を確認するため病院へと向かう。
 朔太郎が家に戻ってくると病院から電話があった。節子が緊急手術をして入院したと言うのだ。驚いた朔太郎は急いで病院に向かう。医師の松下(大杉漣)は朔太郎に衝撃の事実を伝える。節子は大腸癌に冒されており、大きい部分は切除することに成功したという。しかしすでに体中に転移しており、切除できなかった部分は化学療法で押さえるという。朔太郎は「治るんですよね?」と尋ねるが、「1年先のことを考えるのは難しいと思います。」という回答だった。
 朔太郎は節子に必ず治ると伝え、抗がん剤治療を始める。そんな節子を心配そうに見舞う母・晴子(風吹ジュン)の姿もあった。
 退院する時、笑顔の節子を見て、医師は「楽しい時間を持ってください。笑うことで免疫力が上がることがあるそうです。」と言って送り出す。
 家に戻った朔太郎は、これからは家事は自分でやらないとと料理や洗濯に挑戦。しかし料理は真っ黒焦げ、洗濯物はまともに干せず、逆に節子に心配をかけてしまう。こんな不器用な自分が節子のために出来ることはないかと考えた朔太郎は、退院の時に医者に言われた言葉を思い出し、1日1編の短編小説を書くことを思いつく。がん細胞も笑い死にするくらい楽しい小説を書こうと意気込む朔太郎。
 最初は「これ、エッセイじゃない。」と言われてしまうが、朔太郎はそれでも笑える小説を目指して毎日書き続ける。数日後には節子を笑わせることに成功した朔太郎は、節子の笑顔を見ることで自分の幸せを見出していた。しかし節子は朔太郎のいないところで一人、涙を流す。朔太郎のこの行為から、自分は助からないと言うことを物語っていることを感じ取ってしまったのだ。
 余命1年と言われてから1年がたち、それを祝って滝沢夫妻や新美がパーティーを開いてくれた。滝沢の妻・美奈(吉瀬美智子)は、よくこんな男とやっていける。私だったら新婚旅行のあのエピソードでもう別れるわと言う。新美が何があったのか聞くと、美奈はそのエピソードを話す。新婚旅行当日、小説のネタを思いつき、そのまま机に向かったのだ。だから朔太郎と節子は新婚旅行に行っていないのだ。
 滝沢夫妻や新美は帰り、後片付けをするが、節子は急に体調を崩してしまう。久しぶりのお客さんで疲れたんだと言う朔太郎だが、医者に診せると抗がん剤の効果が薄れてきたという。別の抗がん剤は認可を受けておらず値段が高い。朔太郎は新美に頼んで恋愛小説の仕事を引き受ける。
 ところが抗がん剤の値段とそのために恋愛小説の仕事を引き受けたことを知った節子は「私なんか産まれてこなければ良かったね!」と家を飛び出してしまう。心配した朔太郎だが、節子は買い物をして戻ってきた。朔太郎が初めて書いた恋愛小説は節子に一笑されてしまう。2人はやっぱり朔太郎に恋愛小説は無理だと仲直りする。恋愛小説がダメだったため、節子は60歳になって2人に旅行をしようと思って貯めていたというへそくりを使おうという。しかし朔太郎はそんな大事なお金は使っちゃダメだと、SF小説の仕事を増やす。一方、新美はせっかく書いた妻への小説を薬代のために出版してみないかという。断る朔太郎だが、病気の妻のために1日1編の小説を書いている朔太郎のことが週刊誌に載ってしまう。妻に知られれば治らないと言うことがばれてしまうため焦る朔太郎だが、逆にこれがきっかけで連載の売り上げも伸びていった。
 医師の宣告した1年は過ぎ、さらに2年、3年と歳月が過ぎていく。しかしゆっくりだが確実に節子の体力は衰えていった。節子と朔太郎は北海道旅行に出かけるが、戻ってくると節子の体調が悪くなり、入院することになる。旅行の間、強い薬を使っていたため、その反動が出てしまったのだ。
 入院中も朔太郎は1日1編の小説を書き続ける。その事は、他の患者の励みにもなっていた。朔太郎は看護師、掃除のおじさん、さらには患者からも見守られ、妻への小説を書く。しかし節子は原稿用紙を持つことすら出来なくなっていた。そんな節子に小説を読んで聞かせる。
 そんな節子を滝沢が見舞いに来る。「私が死んだら、朔太郎にいい人紹介してあげて。」と言う節子。「それは無理だね。あんな男につきあえるのはせっちゃんしかいない。わかってるだろ。」と答える。
 苦しんでいる節子を見て朔太郎は医者に苦しさを和らげるようにして欲しいと言う。しかしその薬を使えば昼間も寝てばかり。起きていても意識はもうろうとしているため、朔太郎の小説を読めなくなる。そんな薬は使いたくないと節子が拒んでいたのだ。「ずっと起きていて、節子が目をさました時に小説を読みますから。」とその薬を使うようにお願いする朔太郎。
 その言葉どおり、朔太郎は小説を書き、書き終えると節子が起きるのを待ち、ずっと寝ていない。次第に現実なのか夢の中なのかわからなくなってくる。
 そして最後の1778話には、どんな恋愛小説もかなわない愛の言葉が綴られていた。


●感想、思ったこと(ネタバレあり)
 見る前にツイッターで良かったという意見の中に、つまらなかったという意見を発見。みんなから支持される映画なんてあり得ませんが、確かに狙いすぎている感があります。結論から言えば、僕もあまり感動しなかったなぁ~。
 何がいけないというわけではないんですけど、この手の話って観客はストーリーはわかっているわけですよね。ですから+αを観客は求めるんです。どう感情移入させて、どう泣かせるか、どう心温まる見せ方をするか…。けれどこの映画はその+αがほとんどない。そして間にちりばめられている朔太郎のお話がこれまた陳腐。プロの作家でしょ!と渇を入れたくなるほどの内容。そもそもこう言うのを本編に挿入するのは、抑揚をつけたり、主人公らに感情移入をさせやすくするためだと思うのですが、本作では何の効果も感じられず、ただの蛇足にしか感じられない。
 黄泉がえりのコンビだったので期待していたのですが、みんなシネマいいのに!さんと同様、僕にはあわない作品でした。




観て良かった度:●●○○○ 2点 最低1点、最高5点






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この記事へのコメント

2011年02月19日 12:34
初めまして!

TBされてた方がいらしたのも気付かないくらい、スルーした映画でした。

映画は、沢山の方の尽力で出来ているので
余り酷評は避けたいのですが…

残念な作品でしたね。。。
2011年02月19日 17:16
直珍さん、コメントありがとうございます。
う~ん、現実っぽさがないので感情移入しないんですよね~。
つくりかたによってはもっと泣けただろうに。。。

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