映画:しあわせの雨傘



 今年10本目はしあわせの雨傘でした。



●ストーリー(ネタバレあり)
 ブルジョワ主婦のスザンヌ・ピュジョル(カトリーヌ・ドヌーヴ)は毎朝日課になっているジョギングをする。毎日のことではあるが、スザンヌにとって毎日出会うリスや子ジカなどの動物たちも毎朝違う表情で、いつも新鮮だ。
 しかしそんなジョギングが終わればあとは特にやることもない。結婚30年になる夫のロベール(ファブリス・ルキーニ)はスザンヌの父親が始めた雨傘工場の社長を継いで毎日忙しい。そんな彼はスザンヌが仕事や経済の話をするとおもしろく思わない。かといって家事はメイドのするものであり、何もするなと言う。美しく着飾って、夫の言うことにただ黙ってうなずけば良いという男だ。
 娘のジョエル(ジュディット・ゴドレーシュ)は、そんなスザンヌのことを“お飾りの妻”と非難し、そんな妻にはなりたくないと、家庭のことをかえりみない夫と離婚すると言い出す。一方、息子のローラン(ジェレミー・レニエ)は芸術家志望で、工場を継ぐことに全くもって興味を示していない。
 ある日、ロベールが会社に向かう時に心臓の薬を忘れて行ってしまった。スザンヌは秘書のナデージュ(カリン・ヴィアール)に、一度薬を取りに戻るように伝言を頼む。ナデージュとロベールは浮気をしていることをスザンヌもジョエルも知っている。夫の言いなりになっているからと、浮気をしているのはスザンヌの所為だと言うジョエル。
 ロベールが薬を取りに戻った時に、スザンヌはローランの恋人の話をする。ケーキ屋の娘だが、交際は絶対に許さないと激怒するロベール。と言うのは、ロベールはその娘の母親と浮気をしており、もしかしたら自分の娘かも知れないというのだ。
 ロベールが会社に戻ると、工場ではストライキが起きていた。労働組合の要求に対して痛い目を見せれば労働者は言うことを聞くと、要求を断固拒否するロベール。しかしロベールは労働者によって社長室に監禁されてしまう。
 スザンヌは市長のババン(ジェラール・ドパルデュー)に助けを求める。ババンは労働者出身の市長であり、労働者寄りの思想を持っていた。ババンとスザンヌは結婚直後に燃えるような恋に落ちており、今でもババンはスザンヌのことを思っている。そんなこんなでババンの力でロベールは解放されるが、心労が溜まりロベールは心臓発作で倒れてしまう。
 労働者との話し合いに社長がいなくては話にならない。代理を立てなければならないが、ローランは興味を示さない。ジョエルも断り、結局何も知らないスザンヌが社長代理として労使協定に参加することになる。創業当時から働いている者は、創業者の娘であるスザンヌとは幼なじみの者も多い。思いやりを持って接するスザンヌに対して従業員達も次第に心を開いていく。
 スザンヌはローランに、今までの暗いイメージの傘ではなく明るい傘のデザインをするように言う。またジョエルとその夫に、経営戦略を任せる。こうしてピュジョル傘のシェアはヨーロッパに拡大していった。秘書のナデージュでさえ、スザンヌの手腕に心開いていった。
 自分の居場所を見つけたスザンヌだが、夫が退院して戻ってきた。今やスザンヌが工場の社長となって切り盛りをしている。お飾りの夫となったロベールは怒り臨時株主総会を開くことに。ロベールが持っている株は50%未満。スザンヌ、ロベール、ジョエルと筆頭株主が集まり、社長を選ぶ投票が行われる。筆頭株主はスザンヌの数ヶ月でシェアを伸ばした手腕を買ってスザンヌに投票。自分の居場所を与えてくれたローランもスザンヌに。しかしジョエルは父であるロベールに投票し、結果、再びロベールが社長に就任する。
 再び自分の居場所をとられたスザンヌは、ロベールに仕返しをする。と言うのはローランとケーキ屋の娘との交際を認めさせるのだ。なんとケーキ屋の娘が、ロベールの息子かも知れないならば、ローランはロベールの息子ではないかも知れないと言うことを打ち明けたのだ。スザンヌがババンと浮気をしたのはローランが生まれる10ヶ月前。しかも別の男とも寝てたというのだ。
 一方、スザンヌは自分の居場所を求めて、国会議員になるべく、選挙に出馬することを決意する。その事をおもしろく思わないロベールだが、ナデージュやローランらの協力もあって見事当選する。



●感想、思ったこと(ネタバレあり)
 この作品、もともとフランスの有名なコメディをもとにして作られた作品なんですって。映画は心温まるハートフルコメディ(?)作品でした。
 もともと“浮気”が出てくる作品って往々にして相性が悪いんです。古くはマディソン郡の橋。かなり評判になった作品ですが、要は浮気話じゃんってまったくおもしろくなかった。この作品のように夫も妻もここまで浮気されるともうどうでも良くなっちゃいます。当時としては女性の社会的地位が低かった時代、お飾り妻が社長に、そして議員に出世するのはすごいことなんでしょうね。もう、どうでもいいやと思いながらも応援しちゃいます。
 ちなみにこの作品を見た日の夜は劇団四季マンマ・ミーア!を見たんです。別に狙っていたわけではないんですが、意外にも両者に共通点が。ホントのパパが誰かわからないってこと。時代背景がわかりませんが、一昔前のヨーロッパは浮気が日常茶飯事だったのか?と思ってしまいますね。




観て良かった度:●●●○○ 3点 最低1点、最高5点






※2010/11/01よりAmazonが配送する商品の配送料が無料になりました。




ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • しあわせの雨傘

    Excerpt: 『8人の女たち』以来のタッグとなるフランソワ・オゾン監督と、大女優カトリーヌ・ドヌーブが送るコメディドラマだ。70年代のフランスの片田舎にある雨傘工場を舞台に、心臓病で倒れた夫に変わって妻が工場を切盛.. Weblog: LOVE Cinemas 調布 racked: 2011-02-13 22:06
  • しあわせの雨傘

    Excerpt:  雨傘といえば、「シェルブールの雨傘」。共通点は雨傘だけだけど、カトリーヌ・ドヌーヴのオーラはさすが。めっちゃ面白いコメディだった。    庭仕事と刺繍と詩作がスザンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)の毎日。.. Weblog: シネマ大好き racked: 2011-02-14 07:20
  • そう、人生は美しい~『しあわせの雨傘』

    Excerpt:  POTICHE  1977年、フランスの田舎町。雨傘工場の社長夫人スザンヌ(カトリーヌ・ドヌ ーヴ)は、亭主関白な夫ロベール(ファブリス・ルキーニ)の従順な妻。ある日 ロベール.. Weblog: 真紅のthinkingdays racked: 2011-02-14 08:12
  • しあわせの雨傘

    Excerpt:  今年初めてのシネコンで映画鑑賞です。 選んだ作品は「しあわせの雨傘」。 カトリーヌ・ドヌーヴの映画は見たことがないです。子どものときに父親が映画音楽の全集のLP版を買... Weblog: なりゆき散策日記 racked: 2011-02-14 10:39
  • しあわせの雨傘

    Excerpt: ★ネタバレ注意★  フランソワ・オゾン監督版、人形の家?  カトリーヌ・ドヌーヴが演じる社会進出に目覚めたブルジョワ主婦の物語なんですけど、なんだかちょっとウッディ・アレンを彷彿とさせるよ.. Weblog: キノ2 racked: 2011-02-14 21:06
  • 「しあわせの雨傘」

    Excerpt: 「Potiche」2010 フランス スザンヌ・ピュジョルに「キングス&クイーン/2004」「ストーン・カウンシル/2005」「輝ける女たち/2006」「アニエスの浜辺/2008」「クリスマス・.. Weblog: ヨーロッパ映画を観よう! racked: 2011-02-14 21:07
  • しあわせの雨傘

    Excerpt: スザンヌは、雨傘工場を創業者である彼女の父の跡を継いだ亭主関白な夫、ロベールとの生活に退屈仕切っていました。工場は、従業員を大切にした先代とは違い、ロベールは従業員たちに過酷な環境での労働を強いており.. Weblog: racked: 2011-02-14 21:14
  • しあわせの雨傘

    Excerpt: Comment: ブルジョワ主婦の社会進出。 フランソワ・オゾン監督の作品です。フランスの大女優カトリーヌ・ドヌーヴとの「8人の女たち」以来の再タッグで挑むこの作品はまたまたコメディで.. Weblog: ひでの徒然『映画』日記 racked: 2011-02-14 21:55
  • 『しあわせの雨傘』 Potiche

    Excerpt: 自ら世界を切り開いていくパワフル女王様に拍手喝采。大好きオゾン。 1977年、カトリーヌ・ドヌーヴ扮するスザンヌは雨傘工場の経営者ロベールの妻として裕福な暮らしをしていた。『Ricky リッキー.. Weblog: かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY racked: 2011-02-14 22:57
  • しあわせの雨傘

    Excerpt: 毎朝のジョギングが日課のブルジョワ妻、スザンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、心臓発作で倒れた雨傘工場社長の夫ロバート(ファブリス・ルキーニ)に代わり、工場を切り盛りすることになる。 典型的な亭... Weblog: 心のままに映画の風景 racked: 2011-02-14 23:17
  • しあわせの雨傘

    Excerpt: Ost: Poticheオゾン流の女性讃歌のこの映画、エレガントなイメージのカトリーヌ・ドヌーヴのジャージ姿が見ものだが、それ以上に、平凡な主婦だと思っていたヒロインの意外な奔放さと ... Weblog: 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子公式HP racked: 2011-02-14 23:40
  • しあわせの雨傘

    Excerpt: 結構人気な作品みたいで 意外に劇場は混んでました。 カトリーヌ・ドヌーヴの 人気も健在!ってことですね~。 なんかすごく大きな 肝っ玉かあさんを感じさせて それでいて、愛らしい! 幸せな.. Weblog: ルナのシネマ缶 racked: 2011-02-14 23:45
  • しあわせの雨傘

    Excerpt: 今年最初の映画を見る会の作品です。 「ソーシャル・ネットワーク」と迷ったのですが、 公開したばかりだという上に、 鑑賞日がレディース・デイで混むだろうということで こちらの作品に。 19.. Weblog: racked: 2011-02-15 13:22
  • しあわせの雨傘

    Excerpt: ■ 新宿ピカデリーにて鑑賞しあわせの雨傘/POTICHE 2010年/フランス/103分 監督: フランソワ・オゾン 出演: カトリーヌ・ドヌーヴ/ジェラール・ドパルデュー/ファブリス・ルキーニ.. Weblog: 映画三昧、活字中毒 racked: 2011-02-15 20:26
  • 【映画】しあわせの雨傘

    Excerpt: <しあわせの雨傘 を観て来ました> 原題:Potiche 製作:2010年フランス ←クリックしてね。ランキング参加中♪ 平日昼間の時間帯なのに、満席ってどうなのよ。 場所柄、作品柄、まぁうな.. Weblog: ★紅茶屋ロンド★ racked: 2011-02-15 20:57
  • 『しあわせの雨傘』(2010)/フランス

    Excerpt: 原題:POTICHE監督:フランソワ・オゾン出演:カトリーヌ・ドヌーヴ 、ジェラール・ドパルデュー、ファブリス・ルキーニ 、カリン・ヴィアール 、ジュディット・ゴドレーシュ公式... Weblog: NiceOne!! racked: 2011-02-17 21:01
  • 「しあわせの雨傘」

    Excerpt: フランソワ・オゾン監督、カトリーヌ・ドヌーヴと再び組む。 Weblog: 或る日の出来事 racked: 2011-02-20 07:36
  • 映画『しあわせの雨傘』を観て

    Excerpt: 11-5.しあわせの雨傘■原題:Potiche■製作年・国:2010年、フランス■上映時間:102分■字幕:松岡葉子■鑑賞日:1月14日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)■料金:1,00... Weblog: KINTYRE’SDIARY racked: 2011-02-20 23:34
  • 『しあわせの雨傘』

    Excerpt:   □作品オフィシャルサイト 「しあわせの雨傘」□監督・脚本 フランソワ・オゾン□キャスト カトリーヌ・ドヌーヴ、ジェラール・ドパルデュー、ファブリス・ルキーニ、カリン・ヴィアール、ジ.. Weblog: 京の昼寝~♪ racked: 2011-02-22 08:14
  • ■映画『しあわせの雨傘』

    Excerpt: カトリーヌ・ドヌーヴがチャーミングなフランスのブルジョア・マダムを演じている映画『しあわせの雨傘』。 可愛くきれいなだけの壊れやすい飾り壺だと思っていたら、実は美しいけれどちょっとやそっとでは壊.. Weblog: Viva La Vida! <ライターCheese の映画やもろもろ> racked: 2011-02-26 21:00
  • ●映画 『しあわせの雨傘』

    Excerpt: 2011年最初の映画はカトリーヌ・ドヌーブ主演の『しあわせの雨傘』でした。 観たのは新宿ピカデリーなのですが、若いカップルや女性のお客さんの中にちらほらと ご年配の男性お一人様がいたりして、カトリ.. Weblog: Wonderful Everydays racked: 2011-02-27 12:18
  • 「しあわせの雨傘」にはドヌーヴの人生が反...

    Excerpt: カトリーヌ・ドヌーヴ主演作が続けて公開された。「隠された日記・母たち娘たち」と「しあわせの雨傘」であるが、どちらも「女性の自立」をテーマにしているが、表現の形態は正反対... Weblog: 映画と出会う・世界が変わる racked: 2011-04-05 07:26