ミュージカル:桃次郎の冒険



 誰もが知っている桃太郎。その桃太郎の弟が鬼退治に行ったら鬼と友達になっちゃった。劇団四季のファミリーミュージカル、桃次郎の冒険を見てきました。





●ストーリー(ネタバレあり)
 とある町にやってきた紙芝居やさん(青羽剛)が「昔むかし、あるところにお爺さんとお婆さんが…。」桃太郎の始まりです。ところがそれを見ていた1人の子ども(笹岡征矢)が紙芝居やさんに詰め寄ります。「桃太郎なんてくだらないよ!」
 彼の名前は桃山次郎。紙芝居やさんはじゃあ、君が桃太郎の弟・桃次郎になって好きなようにお話をやり直してみればいいと言います。桃次郎の弟・三郎(石毛翔弥)が、兄にはまかせておけない。僕が鬼退治に行く!と出てきますが、紙芝居やさんは今回は兄の桃次郎にやってもらうと言います。

 気がつくと桃次郎はお爺さんとお婆さんの家にいました。桃次郎は桃太郎の鎧、兜、刀を持たされて鬼退治に行って鬼たちの金銀財宝を持ってくるように言われます。実はお爺さんもお婆さんも桃太郎が持ってきた宝を使い果たしてしまい、再び贅沢な暮らしをしたいと思っていたのです。村人たちからも見送られて、鬼退治に向かう桃次郎。
 鬼ヶ島に向かう途中に犬(百々義則)、猿(遊佐真一)、キジ(団こと葉)に出会います。桃太郎と鬼の宝を持って帰った頃は食うに困らなかった3匹だけれど、今やその日食べるものにも困っている3匹。そんな3匹は、桃次郎のキビ団子を早速頂く。でも鬼退治に行くのが面倒な3匹は、兄の桃太郎を超えるためには自分一人で鬼退治をするしかないと桃次郎をそそのかします。その上、財布や刀なども取り上げ、桃太郎一人で鬼ヶ島へと向かわせてしまうのです。

 1人鬼ヶ島にやってきた桃次郎は薄暗い洞穴に到着します。この洞穴にはたくさんに鬼の地蔵が祭られていました。この地蔵は実は桃太郎に殺された鬼たちなのです。そんな地蔵に鬼の木の実をお供えに来た女の子の鬼がいます。名前はスモモ(長野千紘)。彼女の妹のアンズ(生形理菜)は桃太郎に殺されてしまったのです。大人の鬼だけでなく、アンズの他にもたくさんの子どもの鬼も地蔵となっていました。
 そこにやってきたのは桃次郎。キビ団子も3匹にとられ、何も食べていない桃次郎はハラペコ。スモモの持っていた木の実を食べてしまいます。ところがこの鬼の木の実が人間が食べると鬼と同じように頭に角が生えてしまうのです。「鬼なんかイヤだよ~。」泣いてしまう桃次郎を、スモモは励まします。
 桃次郎は次郎と名乗って、スモモの家で暮らすことにします。そして1ヶ月。冬の鬼ヶ島にも雪が降ります。今日は鬼の子ども達の遊び・雪ぼっこの日。雪ぼっことは、雪で作ったかまくらでお客さんごっこをするのです。スモモのかまくらに、町に入っては行けないアンズたちがやってきます。もし誰かに見つかったら口もきけなくなり、本当の石の地蔵になってしまいます。スモモはアンズたちに洞穴に戻るように言いますが、寒くて暗くてさみしい洞穴に戻るのはイヤだと泣き叫びます。
 そんなところにスモモの親戚のサクランボ(安宅小百合)たちがやって来ます。見つかったらまずい。スモモはアンズたちをかまくらに入れ、隠れるように言います。ところがサクランボに次郎が見つかってしまいます。隣の島からやって来たとごまかす次郎ですが、トンチンカンなことばかり。サクランボは次郎が実は人間ではないかと疑います。

 一方、村ではお爺さんとお婆さんが桃次郎の帰りを首を長くして待っていました。しかし帰ってきたのは、犬、猿、キジの3匹だけ。桃次郎は戻ってこないと言う彼らの前に、桃次郎の弟、桃三郎が現れます。桃三郎は兜と鎧を身につけ、刀と鉄砲を持ち、3匹を連れて鬼ヶ島へと向かいます。

 鬼ヶ島でもやがて雪もとけ、春がやってきます。春の鬼ヶ島は大忙し。畑を耕して種を植えなければいけません。次郎も一生懸命手伝います。そこにやってきたのはサクランボ。次郎さんの角、左右のバランスがおかしいべ。ちょっと削ってそろえてやるべ。と次郎の角を削ります。サクランボが角をどんどん削ると、次郎の角はすっかりなくなります。「次郎さん、角がない方が男前に見えるべ。」気をよくした次郎はつい口を滑らせて、元の人間のようだと言ってしまいます。次郎が人間だとバレ、鬼たちに捕まってしまいます。

 ちょうどその時、鬼たちの前に桃三郎が現れます。鬼たちを退治しようとする桃三郎に向かって桃次郎は叫びます。「違う!鬼たちはそんなんじゃない。みんな僕たちと変わらない。ただ角があるだけだよ。」と。鬼をかばう桃次郎に嫌気のさした桃三郎は鬼たちを殺そうとします。しかし桃次郎が鉄砲を取り上げ、形勢逆転。しかし鬼と弟の狭間に立たされた桃次郎はどうして良いのかわからず、立ちすくんでしまいます。と、その時、桃三郎が鉄砲を奪い返そうと2人はもみ合いに。アンズが止めに入りますが、鉄砲が火をふき、アンズに当たってしまいます。
 スモモを抱きかかえながら悲しむ桃次郎、アンズや他の鬼たちも肩を落とします。桃三郎は桃次郎が言った鬼も人間と同じであることに気がつき、自分がしたことを悔やみます。こうして鬼たちと人間たちの争いは収まり、共生するのでした。

※括弧内は鑑賞日のキャストで、別の日は別のキャストが演じている場合もあります。




●感想、思ったこと(ネタバレあり)
 小さいときから桃太郎って、迷惑かけている鬼を懲らしめるのはともかく、なんで財宝を荷車一杯持って帰ってくるんだろう?って不思議に思っていた。そう考えている人は僕だけではなく、桃太郎は法律を勉強している人たちの模擬裁判の事例として取り上げられることもあるとか。
 そんな桃太郎の弟(実の弟ではないのだけれど)が再び鬼ヶ島に行く。桃太郎は子どもの鬼もたくさん殺し、殺された子鬼の姉であるスモモは人間である桃次郎を温かく迎える。とてもおもしろいストーリーでした。ですがラストにスモモが死んでしまう。ディズニー映画では悪役であっても主人公自ら殺さない。谷に落ちたり、自らの行いで死んでしまうパターンが多いのに、劇団四季ではファミリーミュージカルであっても容赦なく殺してしまう。必要があって死んでしまうならともかく、今回の桃次郎ではスモモを殺す必要性はなかったんじゃないかと思い、ちょっと胸がつらいです。
 最近、領土問題でお隣なの国と仲が悪くなってしまっています。角もなく同じ人間なのにわかり合えない。日本だけでなく信じる神が違うと言うだけでいがみ合ったり、それが発展して戦争したり…。同じ人間なのに…。最近、心が痛むニュースが多いですが、こう言う作品を見た子供たちが次の世代でより良い世界にしてくれたらと思います。





観て良かった度:●●●●○ 4点 最低1点、最高5点




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