映画:アイアン・スカイ



 制作費が足りなくなり一度は映画化が中止。ところがファンからのカンパが7,000万円集まり正式に映画化が決定。そんな超大作ではないけれどコアなファンの多い作品、アイアン・スカイを見てきました。




●ストーリー(ネタバレあり)
 2018年。アメリカ合衆国の女性大統領(ステファニー・ポール)は再選を狙い、人気を得るために黒人ファッションモデルのジェームズ・ワシントン(クリストファー・カービー)らを46年ぶりに月への有人着陸に送り込む。無事に着陸したものの突如彼らとの更新が途絶え、大統領は苛立ちを隠せない。
 その頃ワシントンは月面で驚くべきものを見つけていた。月面にナチスの基地があったのだ。ナチスの残党クラウス・アドラー(ゲッツ・オットー)は、ワシントンを地球からのスパイダと拉致し、ワシントンらが乗ってきた宇宙船を破壊してしまったのだ。
 彼らは1945年、第二次世界大戦のドイツ崩壊時に秘密裏に開発したロケットで月へと避難し、地球侵略のチャンスをうかがって、最終兵器“神々の黄昏”号の開発を行っていたのだ。しかし真空管を用いたコンピュータでは演算処理能力が足りずに開発は行き詰まっていた。
 そんな時ワシントンの宇宙服を脱がせたクラウスは驚く。ワシントンが黒人だったからだ。さらに彼が持っていたスマートフォンの演算能力に驚き、これを使えば“神々の黄昏”号を動かすことができると喜ぶ。早速リヒター博士(ユリア・ディーツェ)がスマートフォンを接続すると轟音と共に動き出すが、スマートフォンのバッテリがなくなって止まってしまう。
 総統コーツフライシュ(ウド・キアー)は、地球からスマートフォンを強奪するためにクラウスを地球に派遣することを決める。一方、道案内として白人化させたワシントンと、地球に興味のあるクラウスのフィアンセのレナーテ・リヒター(ユリア・ディーツェ)も地球へと向かう。
 月への有人飛行が失敗して人気が落ちてしまった大統領の次なる選挙キャンペーンを展開していた大統領の広報官、ヴィヴィアン・ワグナー(ペータ・サージェント)を誘拐したクラウスは、彼女を人質に大統領に面会を要求する。クラウスの行動力とカリスマ性、レナーテの理想主義が大衆の心を掴み、大統領選に勝てると確信したヴィヴィアンスは2人を広報官として利用することに。
 数ヶ月後、彼らと一緒に密航していたコーツフライシュ総統は、クラウスが自分の地位を狙っている事に気がつき、彼の処刑命令を出し、一人月面へと帰還する。処刑されそうになったクラウスを助けたのはヴィヴィアンスだったが、クラウスは彼女を捨てる。
 月に帰ったコーツフライシュ総統は地球侵略を開始する。
 地球では無数の宇宙船が地球を攻撃しに来たことで急遽首脳会議が行われた。米国大統領がどの国のものかを問うと、オーストラリア、日本、中国は自分たちのものではないと否定するが、北朝鮮は自分たちが開発したものだという。しかし各国の首脳はそれを笑い飛ばす。
 米国大統領は宇宙条約に違反して宇宙戦艦を開発していたことをあきらかにするが、スウェーデン以外の国も同じように宇宙戦艦を開発していた。大統領は条約なんて何の意味もないと苛立つが、これで対ナチスの宇宙連合艦隊が結成された。司令官はクラウスに捨てられたヴィヴィアンスだった。
 一方、クラウスはもう一度月へと戻り、持ち帰ったスマートフォンを利用して“神々の黄昏”号を起動し、コーツフライシュ総統を殺し、地球を侵略するために地球へと向かう。
 密かにお互い惹かれあうようになっていたワシントンとレナーテは“神々の黄昏”号を阻止するために立ち上がる。連合艦隊とワシントンらの活躍で“神々の黄昏”号を破壊することに成功し、地球に平和が訪れたように見えた。
 しかし各国が宇宙戦艦を開発していたのは月にあるヘリウム3を奪うためであった。ヘリウム3は核融合の燃料源となる物質で月にあるヘリウム3を持ち帰れば地球のエネルギーはまかなえる。つまりヘリウム3を奪えば巨万の富を得られるのだ。そしてスウェーデン以外の国がそれを狙って宇宙戦艦を開発していたことを知った今、第三次世界大戦が始まる。


●感想、思ったこと(ネタバレあり)
 ただのSF映画かと思ったら笑った笑った。随所にちりばめられたブラックジョークに皮肉。ストーリーにも書いた北朝鮮のエピソードや、ナチスが現代のポルノを見て毛が薄いと笑うシーンとか、有名無実になった条約とか、笑えました。他にもたくさんのパロディもあるし。
 ストーリーも宇宙人が地球侵略にやってくるというストーリーは腐るほどあるけれど、宇宙に行った人類が再び地球を侵略に来るというのは斬新ですね。そして地球に平和が訪れたと思いきや、そのまま第三次世界大戦に突入。まさかの展開にこれまた笑いました。
 映像も独特の画調もよかった。
 SF、パロディ、風刺。いろんなものを詰め込んだ楽しい作品でしたね。




観て良かった度:●●●●● 5点 最低1点、最高5点










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