大雨被害の常総市にボランティアに行ってきました。
今年2015年9月10日に台風18号とその後の豪雨による鬼怒川等の反乱で被害を受けた茨城県常総市。東京からもそれほど遠くないしボランティアに行ってみたい。でも何を準備して、何をすれば??? そんな時、うちの会社が社員を募ってボランティア活動をするという話が持ち上がってきました。今まで大きな災害があると日本赤十字社を通じて、医療機器の提供や、義援金の寄附をしていましたが、実際に社員がボランティアに参加することはしていなかったそうです。今回は弊社の事業所や子会社も茨城県にはあり、社員自身も被害を受けたそうです。そんな社員の話では、一番最初に欲しいのは義援金ではなく労働力。実際被災した社員の家には同僚が手伝いに来てくれたそうですが、もちろん家の修復などにお金は必要ですが、まずは暮らせるように泥だしなど労働力が必要だったらしいです。 そんな声を聞いて、会社としてもお金だけでなく労働力を提供しようと、ボランティアを募集し、まとめてボランティアセンターに登録し、近隣の駅からバスで送迎してくれることになりました。 当日は8時につくばエクスプレスの守谷駅に集合です。前日にホームセンターで買った長靴と作業用の手袋、花粉症用のマスク、登山用のサングラス、行動食、着替えなどを持って電車に乗り込みます。つくばエクスプレスでは筑波山に向かうのでしょうか。登山の格好をした人も多く、そっちに行きたいなぁという気持ちを抑えて守谷駅で降ります。そこで会社が手配してくれたバスに乗り込みます。 バスでは現在の状況と、班分け、説明などを聞きます。ボランティア保険にも加入しました。近くから参加している方の話では、このへんのホームセンターでは軍手や長靴などそういうものはもう売り切れていて、手に入れるのも大変だったということでした。 10月3日に行ったので、実際の被害から約1ヶ月弱たっているわけです。ニュースでもほとんど取り上げられなくなったので、もうほぼほぼ普段の生活をされているのかなと思っていました。実際に被害があったという地域に行っても外から見るぶんには普通なんです。でもよく見えるとエアコンの室外機がある家は1件もない。水没して使えないので全て廃棄しているからです。窓から家を覗くと、床がない家も多いのです。 まずは10人から20人の3班に分かれます。リーダーの方がボランティアセンターの方からニーズ表というのをもらいます。そこにはボランティアを必要としている方の名前、住所、何をして欲しいか、前日のボランティアの方からの引き継ぎなどが記載されています。20人の班はアパートに向かいます。僕らは10人の班ですが、ボランティアセンターでスコップやバケツ、雑巾、土嚢などをもらって現地に向かいます。 今回向かった方は床上約2メートルまで浸水してしまった男性の家です。鬼怒川の氾濫ではなく近くの川が氾濫したためだそうです。ここで泥をかき出す作業です。まずは男性陣で床をはがす作業。床下は砂利が敷いてあったのですが、それが泥まみれで湿気がひどい。このままでは柱や床等の木が腐ってしまうので、まずは砂利ごとかき出して水で洗って泥と砂利とを分けます。運よくこの日はとても日差しが強いので、砂利を干して乾燥したら元に戻します。 女性陣は家の中の掃除です。一拭きで雑巾は真っ黒。 途中休憩を入れながらそんな作業を6時間やります。 最後に消毒のために市で配っている石灰をもらってきて床下に蒔きます。 作業としてはこれだけ。 でもかなり重労働です。暑かったということもあり水をたくさん飲みました。しかし飲んでも飲んでも喉の渇きが収まりません。それを見ていたリーダーが「水中毒の初期症状だね。」と言って会社支給のDAKARAを飲むように言われました。すると不思議と喉の渇きが収まります。初めて水中毒というものを体験しました。 ちなみに昼食は会社支給のお弁当とサラダとプリン。社員食堂よりも豪華な食事でした。 ここで思ったのは、僕らボランティアは家主さんの言われたことをやるだけなんです。でもみなさんそんな床上浸水にあったときに何をすればいいかわかりますか?床下の泥をかき出すのはシロウトでもわかりますが、石灰を撒くなんて知りませんでした。家主さんも知らなかったようで、経験のあるリーダーの方が「石灰を市役所でもらってきて、まきましょうか?」と提案してくれたからできたこと。家主さんも元の暮らしに戻るためには何をやってもらったら良いかわからないんですよね。僕ら経験のない人は単なる労働力として力を貸せますが、やはり経験豊かな方の力が必要なんですね。 そして家主さんは見ず知らずのボランティアの方に積極的に「これやってください。あれやってください。」と頼めないですよね。謙虚な気持ちでこちらから提案しないと。 ボランティアって難しく考えていたけれど、女性や落としを召した方でもやれることはたくさんあるんだなという感じです。そして自分が被害者になってしまったときの勉強にもなりますね。 16時に切り上げてボランティアセンターに戻り、後片付け。発生から1ヶ月がたっているのに、全然元の暮らしには戻っていないんですね。こちらの方の家はまだ電気が付けられない状態だそうでしたし、数件となりは水も出ないそうです。 9月の連休は1日4,000人近いボランティアが集まりましたが、10月に入ると半分以下だそうです。常総市の発表では11月9日までに全国からのべ33,766人の方がボランティアに駆けつけてくれたそうです。 うちの社員は数十人が被害にあい、数日会社をお休みしたそうです。10月3日時点でまだ出社できる見込みが立っていない人も3人いるそうです。関東鉄道常総線は一部区間がまで運休していたため、電車通勤ができなくなり、会社が近くの競輪場の駐車場を借りて社員の通勤用に解放して車通勤している人もいるそうです。本社にいる僕らはそんな事情は全く知りませんでした。 被災者のためというよりも、自分がたくさん勉強させていただいた1日となりました。 ちなみにボランティアセンターの方から写真は撮らないように注意されているので、今回は写真なしでちょっとさみしい記事になってしまいました。 まぁ、1日参加しただけで偉そうなこと言えませんが…。 |
この記事へのコメント
皆さんも会社も素晴らしいです。
結婚&子どもができたことで、ブログもだいぶおろそかになってしまっているのに、来ていただき本当にありがとうございます。
ボランティアの記事を書いたら、奥さんに「1回しか行ってないのに偉そうな(笑)」と言われてしまいました。
確かに1回では大したことはできなかったですが、良い経験になったと思います。