映画:英国王のスピーチ



 言わずと知れた、アカデミー賞4部門受賞、英国アカデミー賞7部門受賞などなど多くの賞にノミネート・受賞に輝いた英国王のスピーチを見てきました。



●ストーリー(ネタバレあり)
 ジョージ6世(コリン・ファース)は幼い頃から吃音を持っており、それがコンプレックスとなり人前に出るのを激しく嫌っていた。しかし父親の英国王ジョージ5世(マイケル・ガンボン)はそれを克服させようと、あえて人前に出てスピーチをさせるように様々な式典に出席を命じていた。
 妻のエリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)と共に、何人もの言語聴覚士を呼び、どもらなくするように練習を重ねる。ある人はビー玉を口の中に入れさせたりもしていた。しかしそんな事では治らず、ジョージ6世はますます人前に出るのを嫌うようになってしまう。もう治療は受けないと啖呵を切るジョージ。
 ある日、エリザベスは広告で見たスピーチ強制の専門家・ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)のもとを身分を隠して(ジェフリー・ラッシュ)を訪ねる。治療に来て欲しいと言うエリザベスに、どの患者も平等でダンナだけ特別に出張する事はしない。今度はダンナを連れてきてくれと言われる。
 ジョージはエリザベスに連れられて診療所を訪ねる。そこには子どもがおり、彼を診察室へと案内する。ジョージの目を見ずにどもりながら話すその少年もまたライオネルの患者だったのだ。
 診療室の中では患者も自分も平等だと、愛称で呼ぶライオネル。英国王の次男に敬意を払わないライオネルに苛立ちを覚えるジョージはタバコを吸おうとするが、診療室ではタバコも禁止。苛立ちのおさまらないジョージにライオネルはシェイクスピアの一節を朗読させるが、どもってばかり。そこでライオネルはジョージにヘッドホンをかけさせ大音量で音楽を聴かせながらもう一度行い、それを録音する。その録音を聞かせようとするライオネルに、ジョージの怒りは爆発し、こんなこといくらやっても無駄だ。これで金を取るのか!と啖呵を切って出ていく。
 それからしばらくして、ジョージはクリスマスのラジオ放送でのスピーチを失敗。ライオネルに渡されたレコードを何気なく取り出すが、そこに録音されていたシェイクスピアは一度も詰まっていなかったのだ。ジョージとエリザベスは再びライオネルのもとを訪ねるが、何も聞かされていなかったライオネルの妻は、思いもよらない来客に驚きを隠せない。
 そしてこの日から、ユニークなレッスンに励む事になる。次第に話せるようになるジョージだが、一方で父親・ジョージ5世の体調が優れなくなる。長男のエドワード(ガイ・ピアース)は、アメリカ人で離婚歴のあるウォリス・シンプソンと恋愛関係にあり、王位には興味はないという。しかし一方で、ジョージがスピーチの練習をしているのは、自分を差し置いて王位を狙っていると怒ることもしばしばだ。
 ジョージ5世の体調が良くなる事はなく、とうとう1936年亡くなってしまい、エドワード8世が即位する。
 そんなおり、ライオネルはエドワードよりもライオネルの方が王位にふさわしいと言い、それは反逆罪に値するとエドワードから批難され、二人は以後会わなくなる。
 一方、王は離婚歴のある女性と結婚する事は許されなかった。エドワードは悩んだ末、愛するウォリスの支えなしには王位を全うできないと王位を退く決意をする。ジョージは望まぬまま王位に就く事になるが、大切な王位継承評議会のスピーチで大失敗してしまう。ジョージは再びライオネルの力を借りて戴冠式のスピーチを成功させる。しかし戴冠式の親族しか入れない席にライオネルを招いた事で大司教(デレク・ジャコビ)の反感をかってしまう。大司教はライオネルの事を調べ上げ彼が何の資格も持たないことがバレてしまう。ライオネルは動揺するが、実際、自分をここまで導いてくれたライオネルを信用することにする。
 日は進み、ジョージは王としての最初で最大の試練が待っていた。それはヒトラー率いるナチスドイツとの開戦だ。不安に揺れる国民は王の言葉を待ち望んでいる。ジョージは国民の心を一つにするため、文字通り世紀のスピーチをするためマイクの前に立つ。



●感想、思ったこと(ネタバレあり)
 うんうん。良い映画だった。迫力を求めてCGが普通に使われる時代ですが、ストーリーと脚本だけで勝負したこの映画。僕が観たのは最近だけど、アカデミー賞の頃、ソーシャルネットワークと比べられることが多かったこの作品ですが、僕は断然こっちの作品の方が好き。どちらも人前に立つのが苦手な主人公でしたが、一番の違いは主人公が魅力的か、魅力的でないか。実際は違うらしいのですが少なくとも映画の中のマーク・ザッカーバーグは人のアイデアを盗用し、話し合いにも出てこず、元カノの誹謗中傷をネットに書き、友人でアルゴリズムを作りさらに出資者でもあるエドゥアルドを簡単に切り捨て、同ひいき目に見ても魅力のかけらもない。見ていて腹立たしくも思える作品でした。その点、この作品の主人公は誰が見ても応援したくなる人を惹き付ける魅力をもった描き方をしています。
 演出もにくい。吃音の「クチャ」という正直、心地よい音ではない音をどもりの中に入れ込み、ホントに喋れないという印象を植え付けている。そして成功を収めたスピーチも完璧なしゃべり方ではなく、努力の末のスピーチであることが印象づけられる。
 実際に政治家は好印象なスピーチのレッスンを受けている人も多い。特にオバマ大統領が選挙活動している時も、初めて見た時と演説の印象が違うなぁと思っていたんです。どうやらオバマさんもスピーチのレッスンを受けていたらしいです。英語がダメな僕はしゃべり方の印象派あまりわかりませんが、見た目ですぐわかるのは瞬きの回数なんですって。
 話はそれましたが、日本は今国難のさなか。そして日本のトップはどうしてこう国民を苛立たせ、心配させるようなことしか言わないんでしょうか。国民をまとめ上げるスピーチの1つもしてほしいですよね。






観て良かった度:●●●●○ 4点 最低1点、最高5点






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