映画:127時間



 そのタイトルからどうしても96時間のようなアクション映画を想像しちゃいますよね。でも全く違います。そんな訳で渋谷のシネクイント127時間を見てきました。
 このシネクイント、前回の半券を持っていくと1,000円になるので、前回見たムカデ人間の半券でお得に見られるぜ!って思っていたら、半券なくしたみたい。ショック!orz


●ストーリー(ネタバレあり)
 2003年4月のとある金曜日、27歳の青年・アーロン・ラルストン(ジェームズ・フランコ)はいつものように一人ロッククライミングを楽しむために、ユタ州のブルー・ジョン・キャニオンに向けて出発する。彼にとってはどうと言うことのないいつもの週末の過ごし方。ブルー・ジョン・キャニオンは庭のようなものだった。
 翌朝、彼は車に乗せた自転車で出発。今までの最短時間を塗り替えるため自転車を飛ばすが、途中バランスを崩して転んでしまうことも。それでもめげずに目的地へと向かう。
 ここからは徒歩だ。彼は自転車を置いてチェーンをかけ、後は徒歩で進む。途中で道に迷っていたクリスティ(ケイト・マーラ)とミーガン(アンバー・タンブリン)と出会う。アーロンはガイドを買ってで、幅の狭い渓谷を通って天然のプールへと案内する。最初は怖がる彼女たちだが、一度飛び込んでしまえばその開放感と爽快感で夢中になる。何度も何度も飛び込んで遊ぶ3人。
 やがて3人は別れることになるが、別れ際に彼女たちは翌日にパーティがあるので来て欲しいという。OKするアーロンだが2人は本当に来てくれるかちょっと心配だった。
 再び1人になったアーロンは細い渓谷を進むが、足をついた岩が落ち、一緒に谷に落ちてしまう。幸い怪我はなかったものの右腕が落ちてきた岩と壁の隙間にはさまれてしまい、身動きがとれなくなってしまう。アーロンは大声でクリスティやミーガンの名前を呼ぶが、2人はもとより近くに人は誰一人としていなかった。
 出かける時にかかってきた妹のソーニャ(リジー・キャプラン)からの電話にも出ず、いつものアウトドアショップの店長にも行き先を言っていない。自分がここに来ていることは誰一人知らないのだ。月曜日になってアーロンが戻らないことに気がつき、すぐに捜索願を出したとしても24時間は捜索は開始されない。つまりどんなに早くても助けが来るのは火曜日だ。しかも行き先は誰も知らない。助けが来るのは期待できない。当然携帯電話も圏外だ。
 アーロンはバッグの中身を確認するがボトル1つ分の水、少ない食料、ナイフとロープなどの道具類、そしてビデオカメラだけだった。
 アーロンはナイフで岩を削り始めるが、しかし削れば削るほど自分の腕に岩の重さがのしかかる。ナイフの刃は次第にこぼれ、これ以上削れない。例え削れたとしても自分の腕に岩の重さがのしかかるだけで抜くことはできない。
 次にアーロンは持っていたロープを岩に縛り、滑車の要領で岩を引き上げようと考える。頭上の大きな岩にロープを引っかけることに成功するが、登山用のロープは伸縮性があり、引っ張ってもロープが伸びるだけだった。ひっかかった岩を持ち上げるどころか、全く動かすこともできなかった。
 次第に日が暮れ気温が下がってくる。アーロンはナイフで自分の腕を切る決心をする。しかし皮膚を切ることすらできないほど刃はこぼれていた。仕方なくナイフで腕を刺すが、自分の骨にあたると激痛が走り、腕を切ることはできないと悟る。
 夜になり気温はさらに低くなる。耐えられなくなったアーロンはロープを自分の腕や足に巻き付け暖をとる。1日の間でたった15分だけ日が差し込み、その15分は自分の体を温めるのに使った。
 途中水を飲もうとするが誤ってボトルを倒してしまい残りは200mLもない。このままでは水分を補給することもできない。彼は万が一にそなえてためておいた自分の尿を口にするが、とても臭く飲めたものではなかった。
 このまま死んでいくのか。。。そう思った彼はビデオに自分の姿を録画し、家族へのメッセージを録画する。
 2日、3日、4日・・・。アーロンを襲っていたのは肉体的ダメージだけではなかったのだ。時が経つにつれ現実と夢の区別もできなくなってくる。事故の前にあった2人の女性のこと、家族のこと、別れた恋人・ラナ(クレマンス・ポエジー)のこと、これまでの人生すべてがこの渓谷への道だったことを悟る。襲いかかる後悔。その後悔の念が強くなるに連れ、次第にわき起こる「生きたい。」という気持ち。
 6日目、アーロンの披露と絶望はピークに達する。とその時右腕に激痛が走った。無理な体勢をした時に腕の骨が1本折れたのだ。後1本折って、やせ細った筋肉を引きちぎれば腕が切れる。しかし激痛で意識を失えばそのまま命を失うことになる。彼は意識を失わないように気を持ち、腕を折る決心をする。
 右腕を失った彼は止血し、来た道を戻ろうとするが、途中谷の上に出てしまう。何とか左腕だけで谷を降り、車の方へ。するとハイキングに来ていた家族に出会う。「助けてくれ!」と精一杯の力を振り絞って助けを呼ぶアーロン。彼らは救命ヘリを呼び、アーロンは一命を取り留めた。



●感想、思ったこと(ネタバレあり)
 出だしの軽い感じとは裏腹に後半の重い感じが対照的。自転車で転んでもめげずに滑走する。女性と仲良くなって気分転換して、さぁ目的地へ向かって再び進むぞ!と言う所で落石で身動きがとれない。助けも来ない。当然ながらSAWシリーズのように、生きるために自分の腕を切るかどうかの選択に迫られるも、ナイフがしょぼくて切れない。1作目のSAWは刃のこぼれたノコギリで足を切るのですが、それよりもショボイナイフしかない。しかもそれがフィクションではなく、ノンフィクション。僕ならば、たぶん1日くらいで諦めて楽に死ぬのにはどうすればいいのか考えちゃいそうです。
 途中、現実か夢かわからなくなるほど精神的にまいってきているのに、次第にわき起こってくる「生きたい。」という意志。崖の中という閉ざされた世界の中で死を悟ったアーロンと、生きて今までの後悔をやり直したいという気持ちの対比がとてもすばらしく描かれていた。ダニー・ボイル監督、脚本でなかったら、ただの単調な物語になっていたのではないかと思います。
 単館系ですが秀逸な作品でしたね。単館系なのに見た方はかなり多め。未見の人はレンタルDVDでも充分楽しめる作品だと思うので、ぜひ!





観て良かった度:●●●●● 5点 最低1点、最高5点











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